今年2月、日本各地から学生50名が集まり、ハビタット・ジャパンが包括的な継続支援を行っているインドネシア・セロパミオロ村(セロ村)にある2地区で、コミュニティセンターの建築を開始しました。それから3ヵ月がたった5月、遂に2軒のコミュニティセンターが完成しました。

コミュニティセンターの建築は、セロ村のコミュニティ支援を開始した2016年から、家の建築に加え、寄せられていた要望の一つでした。今回支援にあたった2地区の地区長は、長い間コミュニティセンターの必要性を政府に掛け合ってきましたが、インフラなどが優先され要望は叶わずにいました。そこで、ハビタット・ジャパンは、GVチームの継続派遣に加え、コミュニティセンターの建築実現を目指し、 キャンパスチャプターのメンバーを中心に、セロ村へのファンドレイズに協力を要請してきました。コミュニティセンターの建築費用は、建物の大きさやデザインなどにもよりますが、一棟150万円を超える費用が掛かります。セロ村を以前訪れたチームによる街頭募金や、キャンパスチャプターによるチャリティイベントの収益などから建築にかかる費用を集めてきました。そしてついにこの春、コミュニティセンターの建築に参加を希望する学生が50名集まり、これまで集めてきた支援金と50名の寄付により2棟のコミュニティセンターの建築が実現しました。

チームが滞在中に携わることができた活動は、土台となる部分のみでした。サイズが大きいことから完成の姿まで見ることはできませんでしたが、チームが帰国した後も建築作業は続き、5月末、2地区それぞれにコミュニティセンターが完成しました。その1地区、カリダダブ地区長のパピンさんは地区が抱える課題を2つ挙げていました。その一つが、多くの家族が脆弱な住まいでの暮らしを余儀なくされているということ、そして’balai warga’(現地語でコミュニティセンターを指す)がないことだと話していました。村には伝統的な行事も含め、毎年7つ程度大きな催事があり、カリダダブ地区に住む360世帯もの家族が一同に介するそうです。しかし、大人数が集まれる場がないため、大きなテントを数日借りてこうした催しを取り行っていましたが、その費用はとても高くコミュニティの負担になっていました。また、いつでも集まれる場があるということは、仮に用意された場所と比べると大きな違いがあると常々感じ、住民皆がコミュニティセンターを望んでいたそうです。

コミュニティセンターの完成を受けてパピンさんが今の心境を話してくれました。「今でもまだ、あんなに素晴らしい学生が、遠く離れたセロ村の人々のために時間と労力を費やし、家を、そしてコミュニティセンターを建てに来てくれたことが信じられません。うまく言葉では伝えられませんが、ただただ、私たちが伝えたいのは日本から来てくださった大学生の皆さんへの感謝の気持ちです。本当にありがとうございました。」

ハビタット・ジャパンは、セロパミオロ村へのコミュニティ支援を開始して以来、これまでに48チームをセロ村に派遣してきました。そして、カリダダブ地区でも多くのチームが建築活動に参加してきました。この地区でハビタットが建ててきた家は43軒に上りますが、その内60%にあたる家の建築に日本のボランティアチームが関わりました。セロ村での建築支援に携わってくださったボランティアの皆さま、また支援金をお寄せくださったキャンパスチャプターをはじめとするサポーターの皆さま、ありがとうございました。

  • コミュニティの活動を決めるミーティングが定期的に開催されています。

  • 5年に一度開催される選挙の年。その準備また会場に使われることになりました。

◆バックナンバー
2019.05.28 : インドネシア:ホームオーナーを訪ねて
2019.04.08 : 学生の挑戦:セロパミオロ村を支援
2019.03.20 :  セロ村で住民が集うコミュニティセンターを建てる
2017.02.28 :【GVコミュニティ】インドネシア続報