家族が集える場所、帰れる場所、それはあなたの毎日を支える生活の基盤。
突如起こる自然災害で家を失ったら、家があったとしても
雨風に晒され、害虫や犯罪からの脅威に晒される家なら、
あなたは健全で豊かな暮らしを営むことができますか。
10億人もの人が安心して暮らせる住まいを必要としている
~この流れを変えるには~
課題
世界人口の8人に1人が不適切な住環境もしくは家のない状態にあると言われています。その数は、世界全体で約10億人。その内30%もの人たちが、私たちの暮らすアジア太平洋地域で暮らしています。
1950年の都市人口は世界人口の30%程でしたが、現在は約半数が都市部で生活しているといわれています。そして、2050年には更に25億人増え、総人口の66%が都市部で暮らすことになると推測されています。これらの急激な都市化は、90%がアジアやアフリカ圏で起きると言われています。都市化はインフラの整備や雇用機会の増加、教育水準の向上などをもたらすと考えられている一方、都市化に追いつかない人口流入は、インフラの整備が追いつかず、不適切な住環境での暮らしをもたらし、所得格差の拡大や環境汚染などを招きます。
ハビタットの取り組み
ハビタットは、健全な生活を営む生活基盤となる”住まい”を支援することで、家族が貧困から抜け出し、きちんとした衛生環境や教育を手にすることで、貧困から脱却する機会を共に築きます。
途上国では、50%から90%近くの住宅が最低限居住に必要なスペースの建築から始め、段階的に拡張しながら建てていきます。この建築方法を取ることで、健全な生活を営むために最低限必要な住まいを築き、時間をかけて住みよい家を築くことができます。ハビタットは、マイクロファイナンスなどの少額融資をサポートし、家を持てる環境を築くサポートを行う他、建築にあたっての技術的なサポートや建築を支援し、「誰もがきちんとした場所」を持てるよう取り組んでいます。
安心して暮らせる住まいを実現することで
貧困の理由はさまざまです。教育をはじめ、雇用や健康の欠如であったり、さまざまな機会の損失が貧困の連鎖を築いています。安心して暮らせる住まいは健全で豊かな暮らしを営む基盤、貧困の連鎖を解消することができるとハビタットは考えています。
コンクリートがしかれた床、換気された居住空間、安全な飲み水、衛生設備が整った清潔な暮らしは、家族を感染症や慢性的な病から守ります。安心して暮らせる住まいは、それは健康、プライバシー、子育て、仕事への活力、健全な生活を営むための生活の基盤であり、全ての人々に与えられる基本的人権です。
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OWNER
STORY
ホームオーナーストーリー
夫を亡くしたサラダさんは、2人の小さな娘を抱えるシングルマザーです。夫の治療のために、家族の貯蓄を全て治療費に充てたため、サラダさんに残されたのは大切な2人の娘さんだけでした。両親から教育を受けさせてもらえず育ったサラダさんは、夫が亡くなるまで仕事に就いたことがありませんでしたが、これからの生活、そして大切な娘の将来のためにも働くことを決意しました。
子どもを学校に通わせるために日夜仕事に励んだサラダさんは、ハビタットの支援を受けて家畜も始めました。そして、家畜で貯めたお金を使い、遂に一家が安心して暮らす住まいを築きあげることができました。
「もう家のことで心配することは何もないわ。家に子ども達がいれば安心だし、娘達も男の子と同じように、自分達で未来を切り開くスタートに立てたと思うわ」とサラダさんは話します。
サラダさんにとって、一家が暮らす住まいは壁やコンクリートでできた”家”ではなく、未来への希望がたくさん詰まった”生活の基盤”でした。「私の幸せは、子ども達にきちんとした教育を受けさせ、将来を考える環境を与えられたことだわ」と話します。
私たちが暮らすアジア太平洋地域には、サラダさん家族が直面したように、貧困や災害により子どもたちの未来に必要な機会やサポートが受けれない家族がたくさんいます。ハビタットは「誰もがきちんとした場所で暮らせる世界」の実現を目指し、住居建築や修繕を中心に、住まいの改善・確保、そしてコミュニティ支援に取り組んでいます。
知る・伝える
私たちにとって、家は施錠でき、雨風や外的から家族を守る場所、蛇口をひねれば安全な飲み水が出てくる場所、健康を得るために体を休める場所ですが、海を越えると当たり前でない住まいの現状があります。もし帰れる場所がなかったら、あったとしても安心できない場所だったら、あなたの生活におきる変化を想像してみてください。住まいが持つ本当の意味、知ってください・伝えてください。