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ハイチでは5月以降、雨期が始まり、続いて8月、9月にはハリケーン到来の時期を迎えます。現地では住環境の整備が最大の課題となっており、家に対するニーズが日増しに高まっています。これを受け、ハビタットは、今後簡易住居の建築を急ピッチで進めていくためのテスト建築を開始しています。
現在計画している建築住居数は、ハイチ全体で7,000軒。最初の建築サイトはキャバレ市(Caberet、首都ポルトープランスから北に約30km)で、440軒の建築を予定しています。キャバレ市では、地震により約3,000軒が倒壊・崩壊の被害を被り、要修繕住居も9,000軒に達しています。
キャバレ市にあるバルシ村は、ハビタット・ハイチが震災以前から支援を行ってきた地域の1つであり、ここで建ててきた200軒がほぼすべて倒壊せず残った点で、ハビタット住居の優れた耐震性だけでなく、当該地域の地盤も脆弱でないことが再確認されました。したがって、現時点では、ポルトープランス周辺で被災した人々の移住も含めた形で、被災者家族の定住促進を検討しています。
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簡易住居(シェルター)は、枠組みを木材で構築するタイプと、鉄筋で構築するタイプの2種類を検討しています(写真は木材タイプ)。壁は、シェルターの段階ではビニールシートで覆っただけのものですが(写真右)、将来的にはコンクリートパネルやインターロッキングブロックを用いて建築し、コア・ハウスへと完成させていきます。この点、シェルターは解体可能な構造であるため、バルシ村に一時移住した家族も将来的には建築資材とともに元々住んでいた地域や新たな場所へ移って、コア・ハウスを建築することも可能です。
基礎部分は、コストと耐震性とのバランスを考慮し、石場建てを採用しています(写真右)。石場建ては、磁石または独立基礎の上に柱が乗る形で、日本の伝統構法の1つです。地面と建物との縁が切れていますが、基礎と建物上部とを固定しないことで「遊び」部分を作り、地震の衝撃を拡散させます。
なお、シェルターの建築費用は1軒あたり12-25万円(US$1,500-3,000)。地域ごとに手配可能な資材の種類や輸送費等の調達コストが異なってくるため、大きなコスト幅が生じます。
◆ バックナンバー
2010.03.19 住居修繕キット8,000セット到着、緊急支援本格化へ
2010.02.17 ハビタットの住居デザイン
2010.02.10 ハイチ支援の流れ
2010.02.05 住居修繕キットの配布を開始
2010.01.26 ハビタット・リソースセンター(HRC)の設置
2010.01.22 ハビタットによる緊急支援プラン
2010.01.14 「ハイチ大地震」被災者支援を開始
【ハイチ第8報】 雨期に向け、簡易住居(シェルター)のテスト建築を開始
2010/04/05