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ハビタット・ジャパンは、地震被害を受けた住宅の応急診断を行うHuMAT支援プログラムを、ネパールの被災地で進めています。

HuMAT 1.jpg診断士たちは、カトマンズで数日間の研修を受けた後、それぞれの事業地に移動し、被災した家々を実際に訪問して住宅診断を行います。診断士として選ばれたのは、全員が地震工学や建築を専門とするエンジニアで、中にはずっと高い報酬を得て働くことも可能であろう人材もいます。そんな人たちが、被災して不安の中で暮らす人々のために活動したいと集まってくれました。被災地の現場では宿の確保も難しく、診断士たちは雨期のテント生活を余儀なくされていますが、そんな苦労を耐え忍びながら、住宅診断を続けています。

最初に診断活動を開始したドラカ郡ジリ市は、5月12日に発生した大きな余震の震源地に近かったため、4月25日の本震に加え、この余震でも大きな被害を受けました。先日も、余震が起きたわけでもないに、建物が突然倒壊し、その下敷きになって2名が亡くなりました。素人の目には大丈夫なように見えても、これまでの地震で確実に被害を受け、損傷していて、小さなきっかけで一気に崩れたり、壊れてしまうような状態の家々がたくさんあるのです。

この診断活動には、大きな意義があります。自宅の状況がどれほど危険なのか、あるいは安全で引き続きそこで暮らせるのか、それを住民一人ひとりに分かってもらうことです。地震の揺れがおさまっても、人命が今も脅かされ続けているのがネパールの現状です。人間の命を大切にしたい。失われずにすむはずの命を、この活動を通してひとつでも多く守りたいと私たちは願っています。

HuMAT 2.jpg

この活動ではすでに1千軒を超える住宅を診断しましたが、その診断結果を分析したところ、60%以上の住宅が大規模半壊以上の被害を受けていること、約50%の住宅が修復不能な状態にあることが明らかになりました。ジリ市のような山間部では採石が容易なため、レンガではなく石を建材として利用している家(組積造住宅)が多く、また、施行時にはその重たい石をセメントではなく泥で接着する傾向があります。このことが、住宅の倒壊と多くの犠牲をもたらした主因であると言えるでしょう。

ハビタット・ジャパンでは、さらに診断活動を進め、より正確な実態把握に努めて、被災住宅の修復も含めた今後の支援について検討していきます。

◆ 関連リンク

「命を守る家」を建てよう。日本から広げる耐震・防災

◆ バックナンバー

2015.06.22【ネパール地震 第6報】HuMAT支援とは  

2015.06.08【ネパール地震 第5報】HuMAT支援を開始しました

2015.05.27【ネパール地震 第4報】シェルターキット配布開始

2015.05.03【ネパール地震 第3報】シェルターキットの配布へ

2015.05.01【ネパール地震 第2報】被災者支援のため調整を進めています

2015.04.25【ネパール地震 第1報】現地調査を開始、寄付を受け付けています