ハビタット・ジャパンは、団体初の本格的な国内プログラムであった東日本大震災緊急・復興支援事業を、本年3月末をもって完了いたします。スタッフ一同、これまでのご支援に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
2011年3月11日、午後2時46分に発生した東日本大震災。その日の朝、誰もが「ただいま!」と帰る場所があることを信じて疑わずに家を出たことでしょう。しかし、自然災害は突如人々を襲い、本来人々の命を守るはずの家が崩れ、また津波によって流され、多くの尊い命が失われました。そして人々は帰る場所を失いました。
ハビタット・フォー・ヒューマニティ・インターナショナルでは、震災直後に東日本大震災被災者への緊急支援を決定し、世界中で募金活動を始めました。遠くヨーロッパやアメリカなどからも多くの支援金が寄せられました。日本からボランティアを派遣して建築活動を行っているアジアの国々からの支援も沢山ありました。国内では、ハビタット・ジャパン学生支部のメンバーを中心に、各地で街頭募金が行われました。多くの学生が震災直後より、「ハビタットの一員として、自分たちにできることはないか」と声をあげ、手作りの募金箱を持って、来る日も来る日も自主的に募金活動を続けました。また先輩から後輩へと毎年その活動は受け継がれ、今日に至るまで継続されてきました。
早くも2011年4月には、学生支部のリーダーを中心に、岩手県陸前高田市、大船渡市でのボランティア活動を開始しました。まだ自衛隊や警察が緊急支援活動を続ける中、現地の詳細な状況もわからない中、自ら進んでボランティア活動に取り組んでくれ学生リーダーたち。彼らが示してくれたお手本のおかげで、ハビタット・ジャパンは本格的に一般のボランティアの皆さんを迎え、一緒に活動していくことを決定することができました。それ以来、毎年のべ何百人ものボランティアの方々が、岩手県大船渡市や宮城県石巻市、東松島市などに足を運んでくださいました。
2011年
●がれき・泥の撤去作業(岩手県大船渡市・陸前高田市、宮城県石巻市)
●仮設住宅へ布団の配布(宮城県女川町)
●みなし仮設へ暖房器具の配布(宮城県東松島市)
●在宅被災者宅へ暖房器具の配布(宮城県東松島市)
●被災住居の修繕(岩手県大船渡市)
2012年
●被災住居の修繕(岩手県大船渡市)
●住まいのコンサルティング(岩手県大船渡市)
●被災公民館の修繕(宮城県東松島市・名取市)
●スクールバス停留所の建築(岩手県大船渡市、宮城県東松島市)
●漁師小屋の建築(宮城県女川町)
●東屋建築(宮城県石巻市・名取市)
●仮設住宅での支援活動(岩手県大船渡市・陸前高田市、宮城県石巻市・女川町・多賀城市・東松島市)
●その他コミュニティ支援
2013年
●被災住居の修繕(宮城県東松島市)
●住まいのコンサルティング(岩手県大船渡市、宮城県東松島市)
●ソーラー設置支援(岩手県大船渡市)
●仮設住宅での支援活動(岩手県大船渡市、宮城県多賀城市・東松島市)
●その他コミュニティ支援
2014年
●被災住居の修繕(宮城県大郷町・東松島市・美里町・涌谷町)
●セルフビルド支援(岩手県大船渡市)
●住まいのコンサルティング(岩手県大船渡市)
●地震による内陸部被災家屋に対するアドボカシー(宮城県大郷町・美里町・涌谷町)
●ソーラー設置後の売電利益を通じたコミュニティ支援(岩手県大船渡市)
●その他コミュニティ支援(岩手県大船渡市、宮城県女川町・東松島市)
この4年間ご支援下さった皆さま、ボランティアの方々からは、「困っている人の役に立ちたい」という純粋な想いを教えていただきました。また、被災しても懸命に前を向き、外からやってきた私たちに笑顔を向けてくださったホームパートナーのご家族からは、「未来に向かって前向きに生きる」強さを教えていただきました。4年もの長きにわたり、たくさんの方にご支援いただき、またボランティアとして東北に足を運んでいただきましたことに、心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
ハビタット・ジャパンは、今後も引き続き、国内外のパートナー、学生支部、支援者の皆さまと協働し、住まいの問題に関する国内外での取り組みを続けてまいります。東北においても、これまで育んできた地元との関係を軸に、地元を主体としたコミュニティ支援に関わっていけることを願っています。また、4年間の国内支援活動を通して得た経験や知識を、アジア太平洋の各国、特に地震などの自然災害が多発する地域で活かすべく、防災に特化したプロジェクト等を展開してまいります。
これまで本当にありがとうございました。
これからも、新たなステージの支援活動に取り組むハビタット・ジャパンへの応援、ご協力をお願いします。
ハビタット・フォー・ヒューマニティ・ジャパン スタッフ一同