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【東北支援 第131報】 震災から3年 「深める」x「広がる」支援へ

東北復興支援ボランティア東北支援募金受付中!

東日本大震災の発生から、3月11日で3年が経ちます。震災直後に岩手県大船渡市を中心に支援活動を始めたハビタット・ジャパンは、同年8月には宮城県石巻市にも拠点を構え、被災された方に寄り添った復興支援活動を両県で行ってきました。

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これまでの3年間を振り返ると・・

震災1年目は、がれきの撤去や生活必需物資の配布といった緊急支援を行いました。そして、震災翌年の2012年は、安心・安全に暮らせる場所を実現すべく、家屋の修繕支援を開始した他、21か所の仮設住宅で、住環境を改善するために、物置や縁台などの製作・設置を行いました。加えて、地域の活性化を目指し、地域住民の拠点となる公民館の改修や子どもたちが利用するバス停の待合所設置を行いました。2013年には、経済的支援が必要な、重度の障がい者を抱える世帯を対象に、ソーラー発電設備の設置も実施しました。ソーラー発電設備の設置により、震災時の非常用電源を確保できるだけでなく、発電した電力を売電することで、持続可能な居住環境により生活再建を支援しました。また、地域のコミュニティ施設の運営維持と地域活性化を目指し、避難所指定を受けた4つの公民館でもソーラー発電設備の設置を行いました。

<2011年:瓦礫撤去や生活物資の配布支援>
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<2012年:生活再建に向けて、コンサルテーションや住宅修繕、公民館の改修支援を開始>
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<2013年:これまでの支援に加え、持続可能な社会の構築を目指して、ソーラー発電設備の設置を支援>
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20130531 2.jpgソーラー発電設備の設置支援を受けた葉澤さんの声:

くも膜下出血の後遺症を持つ弟と二人で暮らす葉澤さんのご自宅は、津波により全壊。ハビタットの支援を受け自宅を修繕できたものの、足が不自由な葉澤さんは、安定した仕事が見つからず、今後の暮らしに不安を抱いていました。「『ありがたい』の一言に尽きます。ソーラー発電設備の設置を以前からやりたいと思っていましたが、費用が高額なのに加えて、元を取るまでの期間が長くかかることから設置を諦めていました。しかし、今回の支援によって、生活を取り戻す一歩を進められ、将来への希望がつながった思いです」と葉澤さんは話します。


2013年東北復興支援実事業 実施活動のまとめ(2013年1月 - 2013年12月末)

参加ボランティア人数:646名
1.修繕支援数:家屋修繕数 53軒、公民館/地域施設建築・修繕数 4件
2.コンサルティング支援世帯数:86世帯
3.ソーラー発電設置支援数:個人世帯13世帯、公民館4件
4.コミュニティ支援数:21件
※コミュニティ支援とは、ハビタットが地域力を高めるためにサポートした地域行事の実施や、被災地域や仮設住宅でのコミュニティ作り、また地元住民による復興に向けた街づくり計画などの支援を指します。


そして、2014年、「深める」x「広がる」支援へ

東日本大震災から3年が経過しますが、仮設住宅の入居率はいまだ9割近くと高いままです。被災者の中には「これからどうすればいいのか」という焦りが次第に大きくなっています。住宅支援を専門とするハビタット活動の意義は、これまで以上に高いと言えるかもしれません。しかし、一方で社会の関心は薄れてきており、NGOを含む市民社会の活動は概して縮小の傾向を見せています。ハビタットでも、これまでのような形や規模で支援を継続することが難しくなってきています。

そこで、今年挑戦していきたいと考えているのが、「深める」×「広がる」支援です。住まいの問題は、国内外でより一層深刻さを増していますが、これらの問題はハビタットだけで解決できるものではありません。ハビタットでは、社会の問題はその社会全体で解決していくことが重要であり、かつ現実的なアプローチでもあるという認識のもと、社会の意識やきっかけを形作るベクトルで支援を展開していきたいと考えています。例えば、岩手県で実施するセルフビルド支援では、素人でも、協力し合えばきちんとした家を建てることができるという認識を社会に広げ、お金があれば建てられる、なければ建てられないという二者択一の構図に、自力再建の第3の可能性を吹き込んでいくことを目指しています。宮城県で実施するホームリペア支援も同様です。今回の震災支援では、津波被害や仮設住宅への支援には注目が集まった反面、内陸部の自治体などで地震のみによって被災した世帯へは十分な支援が行き届かない現状があります。自力再建が難しい家族は、今もなお、穴が空いたり、歪んだりしている床や壁を直すことができないままの家での生活を余儀なくされています。セルフビルド支援のように、周りのサポートを受けられれば、簡単な補修は素人でもできるという認識を深め、このような活動が広がっていくことを期待すると共に、地震被害により取り残された被災者の現実をメディアやボランティアの参加を通じて広め、行政や社会にアピールしていきたいと考えています。

東北でも、また海外でも、焦点を定め、多くの人々と共に、適切なアプローチを選び、安心・安全に暮らせる場所を実現していくことが、2014年、そしてこれからのハビタットが掲げる目標です。


引き続き、ご支援・ご協力をお願いいたします。

DR2013-7.jpg東日本大震災の発生以来、2,211名がボランティアとしてハビタットの被災地における活動に参加・協力してくださっています。ハビタットだからこそ取り組むことができる課題に集中し、その支援を「深め」、ハビタットの伝えたい価値が社会の中で「広がる」ためには、これからも地域住民やボランティアの協力をベースにして活動を続けていくことが欠かせません。東北の被災地における住宅問題解消に貢献するためのボランティア活動(個人企業チーム)に是非ご参加ください。また、ハビタットの活動を支えるための支援募金にご協力ください。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

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ハビタット・ジャパンは、「安心して暮らせる場所」の実現をめざし、ハビタットが国内外で取り組む住宅支援を中心とした活動全般を支えてくださるハウスサポーターを募集しています。誰にでも社会に貢献できる何かがあります。見つけてください、あなたにあった支援を。

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2013.03.08 【東北支援 第100報】 震災から2年:「住まいを、コミュニティを築く」
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