ハビタットは国内外の支援活動を通じて、2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)のゴール11(都市)をはじめ、ゴール1(貧困)、5(ジェンダー)、6(水と衛生)、 7(クリーンエネルギー) 等の達成に取り組んでいます。

この4月、ジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社(JRE)のご協力のもと、九州でハビタットのキャンパスチャプターに所属する学生を対象にSDGsを考える研修を実施しました。JREは日本全国に39の太陽光発電所と3つの風力発電所を持ち、再生可能エネルギー事業を展開している企業です。再生可能エネルギーの導入による大規模なCO2排出量削減などを通じ、SDGsのゴール7およびゴール13「気候変動に具体的な対策を」の達成に寄与しています。

JREと協働で実施する九州研修は、今年で3回目を迎えました。研修では、学生が持続可能な社会の必要性を複数の視点から学べるプログラムを提供しています。その一つが、JREが運営する宮崎県五ヶ瀬町の風力発電所の見学とワークショップの実施です。再生可能エネルギーが環境を守り、一人一人の生活を支える社会の持続可能性にかかわりのあることだという認識を学生に広めることを目的としています。もう一つが、熊本地震の被災地を訪問し、被災地の「今」を知ることです。今後も起こりえる災害を自分ごととしてとらえ、防災に対する意識を高め、学生として取り組める支援活動をイメージしてもらうことで、持続可能な社会を目指しています。

研修に参加したのは、キャンパスチャプターに所属する19名の大学生です。初日に風力発電の見学を行い、その後、地元にある宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校に通う高校生8名が加わりワークショップを行いました。架空の国の首相になったつもりで、様々な立場のステークホルダーを考慮しながらエネルギー政策を考えるグループワークは、難しい内容を短時間で理解し行うため、エネルギーに関する知識を持つJRE社員によるアドバイスは欠かせません。エネルギーミックスやCO2税など、普段耳にすることのない用語なども飛び交う中、アドバイスを受けながら、各班なんとか目指す政策にたどりつき発表し合うことができました。参加した大学生からは、「これまでエネルギーについてあまり考えたがことなかったけれど、自分たちの将来もかかわっていると知り、もっと勉強したいと思った」、「普段は考えない視点で再生可能エネルギーについて考えることができた」などの感想が聞かれました。

2日目は、熊本地震後に復興支援に取り組んだ熊本県西原村を訪れました。公民館の再建を支援した西原村万徳地区で当時区長を務めた源さんが今年もハビタットの学生を温かく受け入れてくださり、源さんのお話を伺いながら被災した地域を巡り、復興の現状を学びました。その後、現地のボランティア活動に参加し、子どもたちの遊び場となる公園の整備や地域の女性が集まるサロン作りなどをお手伝いしました。これらの活動を通して「あたりまえがあたりまえでない」ことを意識し、身をもって災害を自分ごととしてとらえ、一学生として何ができるかを考える時間となりました。

ハビタットは若者が自ら考え、力を発揮することで持続可能な社会が築けるよう、様々な学びの機会を提供して参ります。九州研修の実施にご協力いただきましたジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社の皆さま、ありがとうございました。

◆バックナンバー
2018.04.28 企業が育てる未来のリーダー ~ジャパン・リニューアブル・エナジーのユース支援~
2017.05.01 JRE協賛による「持続可能な開発目標」学生向けワークショップ