1PR1hp.JPGバングラデシュでは7月からのモンスーンによる豪雨により約1000万人が被害を受けています。ジャパン・プラットフォームからの助成を受け、9月4日から12日まで現地での初動調査を行いました。
バングラデシュは、ガンジス河、ブラマプトラ河、メグナ河の三大河川の下流部に位置し、国土の約半分が標高7m以下の低地であり、毎年洪水に見舞われていますが、今年の水量は通常以上でした。ダッカから郊外に少しいくと、農耕地が浸水し、湖のようになっていました。特にチベットとインドから流れてくるジュムナ川(ブラマプトラ河)沿いは家屋や農耕地など多大な被害を受けています。現地での調査中(9月8日前後)に、再びまとまった降雨があったことから再度河川の水位は上昇し、27P1010596hp.JPG洪水による新たな被害が発生していました。タンガイル県ブアプール郡のアルジュナ、ガブサラ、ニクライル市(ユニオン)をまたぐジュムナ川の被災地を訪問しましたが、中洲にあったいくつもの村が川に沈み、かろうじて高台にある数軒が残っているだけでした。人口約18万人(1991の)ブアプール郡では、約10万人が被害を受け、全壊家屋数は1,081軒、一部損壊家屋数は18,581軒と報告されています。
 
現在被災者の一部は、現地の地方政府が一時的居住を許可した地域に住んでおり、また一部は親戚の家に身を寄せています。また一部は無許可で他人の土地に仮設シェルターを建ててそこに避難しています。調査時に訪れた仮設シェルターの衛生状態は劣悪で、飲料水は管井戸が臨時に引かれていましたが、十分な量が確保されているとはいえない状況でした。
 
4S5001055HP.JPG調査地におけるインタビューでは被災者は、洪水の水が引き次第自分の土地に戻り元の生活を送りたいとの意見が多くありました。洪水終息後、政府は避難地からの退去要請を予定しており、立ち退きを強制される可能性もあります。 このような状況の中、元の居住地に一時的な住居を建設することは、被災者が今後の復興のプロセスにスムーズに移行するために必要であることはもちろん、現在彼らが置かれている窮状を救うためにも必要不可欠と判断しています。 
 
すべてをなくした避難民にとって、建材の購入は難しい状態です。自らの土地に戻って住居を再建する際には支援が必要ですが、大工作業を行う技術を人々は持っているため、自ら建てることができる簡易住居設置による帰還支援を行う計画です。
8月8日 バングラデシュ洪水緊急アピール
8月16日 バングラデシュ洪水被害緊急支援速報
8月29日 バングラデシュ洪水被害調査?
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