1,300万人以上が住まいを追われています
ウクライナ侵攻から一年、国内のインフラは破壊され、多くの家族が避難生活を余儀なくされています。命を守るために、また安全で尊厳のある暮らしを求めて国内で避難した人々の数は約500万人、国外に避難した人々の数は800万人にのぼり、合計で1,300万人もの人々が故郷を追われています。
突如として発生したウクライナ危機に対応するため、ハビタット・フォー・ヒューマニティは、「Pathways to Permanence(永続への道)」を支援策に掲げ、発生直後から被災された方々のニーズに応える住まいの支援に取り組んでいます。
ハビタット・フォー・ヒューマニティは、侵攻以前から30年以上にわたり住まいを専門とする団体として東ヨーロッパで活動してきました。その間、だれもがアクセスできる住宅市場の開拓を目指して、他団体とのネットワークを構築してきました。人道危機への対応は、これまでの経験を活かして、避難民がシェルターにアクセスできるように、また、手ごろな価格で住宅を持てるように住宅政策に働きかけています。ポーランド、ルーマニア、ハンガリー、ドイツ、スロバキアなど、各国のニーズや状況に応じて支援プログラムは異なりますが、ハビタットが目指すビジョンは一つです。「誰もがきちんとした住まいを持てる世界」を実現するために、困難に直面する家族が、安心、安全に暮らせる住まいを持ち、生活を安定させ、自立できるようサポートしています。
ウクライナ侵攻からの12ヵ月間、ハビタットは毛布や衛生用品などの緊急トラベルキットの配布から、一時的でも体を休めることができる宿泊先の提供など、さまざまな支援策を通じて、これまでに35,000人以上を支援してきました。支援プログラムの中には、ウクライナから逃れた家族が避難先で住まいを見つけられるよう、ホストファミリーの仲介を行うほか、避難先で仕事を見つけられるまでの間、住居費を全額補助するなどの取り組みも進めています。また、アパートに入居した家族には、ソファやベッドフレーム、マットレス、家電製品、リネンなど、安心して暮らせる環境を整えるための家具の提供と設置を支援しています。その他にも、住居となる場所を増やすために、使われていない空きスペースや建物を改修し、より多くの避難民が利用できるよう取り組んでいます。
数字でみるウクライナ緊急支援から12ヵ月
ウクライナ国内での新たな一歩
ウクライナ危機から一年、ハビタット・フォー・ヒューマニティは「Pathways to Permanence(永続への道)」の支援策をウクライナ国内で実施することを目指し、ウクライナ国内で活動する団体とパートナーシップを締結しました。
本パートナーシップでは、ウクライナ東部の旧戦線に隣接するハリコフ州オーヴィス(Oblast)の郊外で住宅修繕サービスを提供することを目指し、現地パートナー団体の同地域における専門性を活かしながら、これまで散発的あるいは全く支援を受けていなかった世帯への支援を計画しています。ウクライナの人々が安全で尊厳ある生活を送れるよう、被災した家屋やアパートの修繕をはじめ、障がいのある方々が暮らす住まいのバリアフリー化を目指すほか、幼稚園やコミュニティセンターなど、地域の復興に欠かせない小規模なインフラの修復にも取り組んでまいります。
ウクライナ国内での支援策はこちら(英文)をご覧ください。
長期的なコミットメント
ハビタット・フォー・ヒューマニティ・インターナショナルのウクライナ危機支援担当ディレクターであるリシャーナ・ハニファ(Rishana Haniffa)は、「ウクライナ危機の規模や複雑さや、あらゆる人々への影響を考慮したとき、さまざまな関係者と協力し、より強固で多面的な支援が必要であると考えます。そしてウクライナ政府の取組みを後押しする必要があります」と述べています。「ハビタットは、ウクライナからポーランド、ルーマニア、ハンガリー、ドイツ、スロバキアに避難してきた人々の短期、中期、長期の住宅ニーズに応えるため、様々な支援を行ってきました。今回のウクライナへの直接支援は、『Pathways to Permanence』の支援策に沿う地域的な対応の拡大であり、近隣諸国やウクライナで戦争の影響を受けている人々のシェルターつまり、適切な住まいを必要とする人々への長期的なコミットメントです」と話します。
ウクライナ近隣諸国をはじめ、ウクライナ国内で住まいの支援を継続していくためには、皆さまからのご支援が引き続き欠かせません。ハビタット・ジャパンでは支援金の受付を継続しています。ウクライナの人々が、安心して暮らせる住まいを取り戻すことで、生活を安定させ、尊厳ある暮らしを送れるよう、ハビタットの住宅支援にご支援をお願いいたします。ご支援はこちらからお願いいたします。