インドネシアのジョグジャカルタ特別州地域内にあるトゥクソノ村は、同地域内でも特に貧困世帯が多く、同村内の人口約8,500 人、2,700 世帯が暮らす中、約44%もの世帯が貧困世帯に区分されています。多くの家族が、日々の生計から家そのものの建築や修繕に必要な支出をまかなうことができず、構造的に脆弱な作りの家が目立つほか、水やトイレといった衛生設備が乏しく、屋外排泄といった衛生問題なども抱えています。こうした住環境も影響し、この村では幼児の発育阻害の割合が高く報告されています。

ハビタットは2019年秋から同村での住居建築プロジェクトを開始し、日本からもGV休止前までに3チームを派遣し、3世帯の住居建築に寄与したほか、GV休止後には都内のインターナショナルスクール「アメリカンスクール・イン・ジャパン」にご支援いただき同村に暮らす一人親家族の住居建築を支援しました(詳細はこちら)。家族を取り巻く住まいの環境を改善し、子どもたちが健全に育つよう、ハビタットは、同村で226 世帯の住居建築を予定しています。

すべての人の健康を守るために、新プロジェクト始動!


トゥクソノ村が抱える課題の一つが、保健サービスへのアクセスです。衛生環境が乏しい脆弱な住まいに暮らすことで、同村では、幼児の発育阻害が報告されています。そこで、トゥクソノ村のカリソノ地区では、地区リーダーが所有する建物を、乳幼児から高齢の方までが健康観察を受けれる『POSYANDU(地域保健活動)』の拠点として、また地域に必要な会合をもつ地域拠点として利用していました。しかし、地域保健活動のための施設ではないため、仕切られた診察室もなく、健康観察に必要な医療器具も十分に備わらない上、水へのアクセスも限られ、診察に訪れた人に食事を提供することも叶いません。地域保健活動では、健康観察時に乳幼児や高齢者に食事を提供するのが一般的です。

そこで、Virtual GV Reunionをはじめ、チャリティガラの開催を通じて、ハビタット・ジャパンは『POSYANDU』として利用できる多機能な地域拠点の建築に必要な資金のファンドレイズを国内で行いました。皆さまのご支援のもと、遂に目標額をファンドレイズすることが叶い、この6月末からプロジェクトが始動しました。建築予定となる土地は、カリソノ地区のリーダーが申し出てくださった土地を利用することが決まりました。

6 月 27 日、カリソノ地区で住民を招いて施設の建築にあたって会合を持ちました。トゥクソノ村のリーダーをはじめ、カリソノ地区のリーダーの協力もあり、総勢60名を越える住民が集い、ハビタットの役割や、今後建築を予定する施設のデザイン、またこのプロジェクトを運営する上での地域のサポートについて話し合うことができました。こうした会合を経て、施設の建築デザインにあたっては、地域住民からも将来を見据えた意見が積極的に出されたほか、地区として提供できる人手や資材について話し合われるなど、地域住民を巻き込みプロジェクトを開始することができました。

7月2日、建築予定地での整地作業を開始しました。建築予定地は起伏があるため、まずは土地を平に仕上げる整地作業が必要です。カリソノの地区の住民も作業に加わり、これから約4週間かけて整地作業を進めて行きます。

本プロジェクトの実施に向けてご寄付をお寄せくださった皆さま、ありがとうございました。引き続き、プロジェクトの進捗をホームページにてご報告させていただきます。なお、トゥクソノ村での住居建築には引き続き皆さまのご支援が必要です。活動へのご支援はこちらからお願いいたします。