ハビタットの活動を長年支えてくださるインターナショナルスクールの一つ、アメリカン・スクール・イン・ジャパン( ASIJ: The American School in Japan )によるご支援を受け、インドネシアで、母子世帯であるジュニアティさん一家の家建築を支援しました。
ハビタット・ジャパンは、長年、ジャワ島中部海岸に位置するジョグジャカルタ特別州に海外建築ボランティア「グローバル・ビレッジ(GV)」チームを派遣し、現地での住居建築を支援しています。2015年夏から2019年春までは、同地域内のセロパミオロ村で取り組まれた住居建築に全46チーム707名ものボランティアを派遣しました。そして、2019年夏ごろからは、ジュニアティ一家が暮らすトゥクソノ村での支援を新たに開始しました。しかし、プロジェクトの開始から1年弱、コロナの感染拡大を受けて全世界的にGVプログラムが休止となり、GVボランティアをはじめ建築資金の不足により、トゥクソノ村でのプロジェクトは停滞を余儀なくされています。
トゥクソノ村は、伝統芸術や文化遺産で知られる都市ジョグジャカルタから車で一時間程の場所にあります。村には2,738世帯、8,572名が暮らし、そのうち約44%の世帯が貧困世帯と言われています。本プロジェクトでは、政府による住居支援などを受けていない約226世帯を対象に、住居の建築を支援するほか、水や衛生設備など、コミュニティ内で必要な施設や設備の支援を進めています。しかし、コロナの発生により、2019年2月までに住居建築支援を完了できたのはわずか18世帯にとどまります。
そこで、毎年GVに参加くださるASIJとの新たな協働により、トゥクソノ村で住居建築支援を待つ家族の建築にご支援をお寄せいただき、GVに代わるバーチャルな形で家建築にご参加いただきました。昨秋から同校のハビタット・クラブに所属する学生メンバーと数回にわたるミーティングをオンラインで開催し、ホームオーナーとなったジュニアティ一家の紹介から、住宅建築、そして新居への入居までの過程を学生たちに伝えるなど、支援に併せた新たな取り組みに挑戦しました。オンラインミーティングには、ハビタット・インドネシアのスタッフを招き、現地の様子を学生たちに直接伝えてもらったほか、ホームオーナーの声を動画で届けたり、学生たちが事前学習でとりまとめた質問をホームオーナーに投げかけ、そのインタビュー動画を共有するなど、現地に赴くことはできない中でも、学生たちがジュニアティ一家を身近に感じ、家族の喜びを共に分かち合えるようにプログラムを組んでいきました。
年が明けた1月、遂にジュニアティ一家が完成した新居で生活をスタートさせました。2月に開催された同校とのセッションでは、ジュニアティ一家から感謝のメッセージが届いたほか、学生代表からは家族に温かい言葉が述べられ、皆で家の建築を喜び合うことができました。ジュニアティさん一家から寄せられたメッセージはこちら(英語字幕のみ)をご覧ください。

終わりが未だ見えないコロナ禍ですが、ASIJをはじめ、学生メンバーの皆さんがハビタットの活動にご支援をお寄せくださり、これまでにない形で住まいの取り組みに参加し、その必要性を伝え広めてくださることに心より感謝いたします。