東京都に緊急事態宣言が再発令されたことに伴い、ハビタットではボランティアを動員しての国内居住支援「プロジェクトホームワークス」を一時的に停止する方針を決定しました。しかしながら、寄せられる相談に応えていくために、訪問する世帯(パートナー)が感染のリスクを理解した上で支援を必要とする場合は、スタッフのみで活動を実施して参ります。

都内に緊急事態宣言が再発令されて以降初めてとなる活動を1月14日に実施しました。訪問したお宅は、2018年に助成金を受けてハビタットが布団の交換を支援させていただいた母子世帯の佐藤さん(仮)のお宅です。当時は、家の中に人が入ること自体に抵抗を示された佐藤さんですが、時間の経過とともに気持ちにも変化があったそうです。佐藤さんは中学生の娘さんと二人、今のお住まいに暮らしいます。子育てをする中で、当たり前にできると思われることができない時期が続き、周りからは「怠けている」と思われるなど、周囲の評価に苦しめられた時期があったそうです。そうした中、3年前にご自身が抱える悩みに病名があることが分かり、「今はできないことはできないと気持ちを伝えることができるようになり楽になりました」と私たちに話してくれました。「できる時にやろうね」そう地域の担当支援員からかけられた言葉に後押しされたこともあり、訪れた部屋は2年前よりも大分片付いていました。「くせがついちゃうとやらないと気が済まなくなるんです」そう話す佐藤さんは、毎日クイックルワイパーで床掃除をしていると教えてくれました。ただ、お風呂や天井にこびりついたカビはご自身ではどう掃除して良いか分からず、担当の支援員を通じてハビタットに相談が寄せられました。

作業時間は感染予防から2時間と定め、作業に入りました。スタッフの一名がお風呂掃除、もう一名が天井の掃除と分担し、持参した掃除道具で歳月と共に蓄積された頑固なカビの除去に取り組みました。途中、天井のカビを取るために、新たな道具が必要となり薬局に走る場面もありましたが、なんとか2時間で気になるカビを取り除くことができました。天井のカビ取りは想像した以上に首と肩に負担がかかりましたが、白い天井を取り戻すことができ、家の中がすっきりしました。「娘もきれいになったことに気づきます」そう佐藤さんは満足そうに話していました。

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佐藤さんからは、「カビが増殖した際はどう掃除すれば良いのか」や「換気扇はいつ使うのか」など、改善した居室環境を維持していくための前向きな質問が私たちに投げかけられました。プロジェクトホームワークスは、活動に賛同くださるサポーターの皆さまからお寄せいただくご寄付をもとに支援を継続できています。活動へのご支援はこちらよりお願いいたします。