8月19日夜から20日にかけて降った豪雨の影響で、広島県広島市で土砂災害が発生しました。住宅の被害は全壊24軒、半壊41軒、一部損壊64軒、床上浸水72軒、そして床下浸水191軒に上ります(9月1日18時現在の広島市災害対策本部発表による)。
ハビタット・ジャパンは、初動調査のため、東北オフィスよりスタッフを一名現地に派遣しました。8月25日から30日まで6日間広島市に滞在したスタッフは、現地の調査、ハビタット・ジャパンの学生支部であるGroo'veメンバーに対する災害支援についての指導と活動のサポート、そして災害ボランティアセンターを通しての現場作業や調査活動などを行いました。
8月25日
13時頃、ハビタット・ジャパンのスタッフが、広島に到着しました。早速、広島学生支部Groo'veのメンバー達と合流し、被害の大きかった安佐南区緑井地区の調査を行いました。また、学生達がボランティア活動を行っていた支援世帯に伺い、聞き取り調査を行いました。夜には、広島学生支部Groo'veのミーティングに参加し、ハビタット・ジャパンが東北支援で培った災害支援のノウハウを共有するとともに、今後の支援体制について話し合いました。
8月26日
主に安佐北区の調査を実施しました。ハビタット・スタッフは、学生メンバーと共に、同区や安佐南区の災害ボランティアセンターを訪問し、ボランティア受け入れや支援の状況を把握しました。その後、スコップや長靴など、安全に支援活動を行うために必要な物品をホームセンターで購入しました(皆様からお寄せいただいた募金を使わせていただきました)。前日に引き続き、広島学生支部のミーティングに参加し、活動スケジュールや報告系統の整理、役割分担などについて話し合い、翌日から現場で継続的なボランティア活動を行うための態勢を整えました。
8月27・28日
実地調査も兼ね、安佐北区災害ボランティアセンターが行っている作業に参加しました。27日には、広島学生支部のメンバー4名と一般のボランティア40名とともに、土砂の掻き出し作業を行い、工場に流れ込んだ民家の石垣を、スコップや一輪車を使って撤去しました。28日には、同ボランティアセンターを通じて、学生4名と一般ボランティア3名と共に個人宅の泥かき作業を行いました。
8月29日
安佐南区災害ボランティアセンターの要請を受け、ハタット・ジャパンのスタッフをリーダーとした12名のチーム(うち学生メンバー3名)を編成し、被害の大きかった八木3丁目の住居についてのニーズ調査を実施しました。
8月30日
安佐南区災害ボランティアセンターで、学生ボランティア3名とともに、週末に大勢訪れたボランティアの誘導を行いました。ハビタット・スタッフは、8月30日午前をもって広島土砂災害の初動調査を終了し、東北オフィスに帰還しました。
今回の土砂災害は、被害が局地的であったことから、被災地近辺の施設は通常どおり機能していました。しかし、斜面に位置しているため車が通れない細い道や階段が被災地区には多く、危険で立ち入れない地域もあるため、ボランティアによる支援を行うには大きな制約があることがわかりました。また、被災家屋のヒアリングや現地での調査を通じ、二次災害の危険性のある地域が広範囲にわたっていることから、安全性が担保されるまで被災者が帰宅できず、問題が長期化することが予想されます。
初動調査を通し、ハビタット・ジャパンでは、報道などでは伝えられないニーズに細やかに対応していくには、現地でのボランティア作業に加えて、地元が中心となって長い目で実施する支援のかたちが最適だと考えます。今後、ハビタット・ジャパンは、広島市の学生支部Groo'veによる被災者支援活動をサポートすることで、地域に密着した支援に貢献していきます。
多くの皆様に募金にご協力いただき、ありがとうございます。皆様にお寄せ頂いた温かいご支援のおかげで、スタッフを現地に派遣し、調査および広島学生支部へのサポートを行うことができました。また、学生が安全にボランティア活動に従事出来るよう、指導を行うとともに、スコップやシャベルなどの道具や、防塵マスク、軍手や長靴などの安全装備を手配することができました。