昨年11月に開催したハビタット・ジャパン設立15周年記念チャリティパーティーでお寄せいただいチャリティにより、カンボジアの2家族が新居を、そして6家族が安心して利用できるトイレを持つことができました。カンボジアから届いたホームオーナーストリーをご覧ください。
カンボジアは、日本から海外建築ボランティア「グローバル・ビレッジ」チームの派遣を通じて、住宅の建築を支援している国の一つです。世界遺産「アンコール・ワット」など観光地として知られるカンボジアですが、1993年まで20年にも及ぶ内戦が続き、経済発展が隣国タイなどに比べて遅れています。そして、いまだ280万もの人々が絶対的貧困にあると言われ、一日1.25ドル以下で暮らしています。そのため、例え住まいに課題を抱えていたとしても、低額でも返済義務のあるマイクロファイナンスなどから融資を受けるのは難しく、住まいに課題を抱えたまま暮らす家族が大勢います。
ハビタットでは、こうした困窮する世帯を中心に、安定した、自立した生活、そして健全な未来を築けるよう、世界各国から支援を募り、生活の基盤となる家の建築をはじめ、その後の生計をたてなおすためのライフスキルトレーニングなどを実施しています。また、安心して飲める水や利用できるトイレの普及率を高めるために、給水施設やトイレの設置を支援しているほか、衛生問題への理解を深めるトレーニングを学校や地域の人々を対象に実施しています。
この夏、日本からの支援で新たにホームオーナーとなったご家族は2家族です。その一家族、ヨエンさん一家は、シェムリアップ近郊に暮らす4人家族です。家族の収入は、夫婦が農作業に加えて掛け持ちで仕事に就いても、月120ドル程度。幸い土地はあるものの、一人一日一ドル程度の生活のため、子どもを学校に行かせるだけで、貯金する余裕はありません。一家が暮らす住まいは構造的に非常にもろく、雨や風が強い日には、無数に空いた穴から風雨が入り込む上、家そのものが壊れてしまうのではないかと不安になり眠れないこともあるそうです。2人の子どもたちのためにも、安定した、自立ある生活を手に入れたい、そう願った先にハビタットの支援を知り、ハビタットに支援を申請しました。そして、この夏、日本からの支援により、ヨエンさん一家はホームオーナーに選ばれ、家の建築に参加し、新居を手に入れることができました。
豪華ではないけれども、家族四人が安心・安全に暮らすには十分なハビタットの家。その家を案内してくれたヨエンさんは「この家を持つことができて最高に幸せよ」そう話してくれました。ライフスキルドレーニングを受けたヨエンさんは、ハビタットがこれまで支援してきた家族のように、ハビタットと一緒に建てた家を土台に、より安定した、自立ある未来を築いていきたい、そう希望に満ち溢れた思いを伝えてくれました。
ご支援をお寄せくださったサポーターの皆さま、ありがとうございました。