こんにちは。ハビタット・ジャパンの学生支部(キャンパスチャプター)として活動する「Eddy」に所属している1年の小田広希です。この夏にハビタットが提供する海外建築ボランティアプログラム「Global Village  Program(GVプログラム)」に参加し、2週間インドネシアでボランティア活動を行いました。この記事では私のインドネシアでの体験を通して、学生がGVプログラム に参加する意義について考えたいと思います。

実のところ私はそれまでボランティアという活動に対して良い印象を持っておらず、関わろうとしてきませんでした。生活に困っている人を助けようという考え方に、自分の生活に困っていないボランティア参加者の傲慢さが感じられるような気がしたからです。しかし、GVプログラムで経験した2つの出来事がこの考え方を変えました。

1つ目は、今回建てた家に住むことになる家族(ホームオーナー)へのインタビューです。大工ではなく学生が家を建てることについてどう考えるか、という質問に対して、ホームオーナーさんは「家よりも貴重なものをたくさん手に入れた」そう答えました。「外国人の文化に触れた経験、言葉の壁を越えて一緒に作業した経験は、大工を雇って家を建てても得られなかった」という言葉に、自分のボランティアへの認識が間違っていたことに気づかされました。ボランティアとは、参加者が受益者に何かを送ることだと考えていましたが、実際は参加者と受益者が互いに学びを与え合うことにもなると知りました。

2つ目は、現地で食事や洗濯、通訳をして私達をサポートしてくださったハビタットのコーディネーターさんとの会話です。先述したボランティア参加者の傲慢さというテーマで、コーディネーターさんにお話を聞く機会がありました。彼は、貧困の一番の原因は充分な教育を受けられないことにあると考えていました。貧しい家庭の子は十分な教育が受けられず、充分な教育を受けていない人は多くのお金を稼ぐことが難しいために貧しくなってしまい、その子どもも充分な教育が受けられない、という負の連鎖を彼は問題視していました。この連鎖から自力で脱出するのは難しく、ボランティア活動という形で外部から連鎖を断つ手助けをしなければならない、という彼の意見を聞いて、ボランティア活動の必要性をはっきり感じることができました。

これらの体験を通して、私はボランティア活動の意義について多くのことを学びました。ボランティアとは与えることだと考えてしまっていたために傲慢さを感じていましたが、実際は参加者、受益者が互いに何かを与え、何かを受け取っているのだと知りました。また、ボランティアの必要性について新しい考え方を手に入れることができました。

GVプログラムからこうした学びを得て、私は新しい目標が見つかりました。それは、国内にも国外にも助けを必要としている人々がいて、そういった人々を助ける方法が身近にあるという事実を発信していくことです。私の言葉でほんの少しでもボランティア参加者が増え、助けられる人が増えれば、こんなに嬉しいことはありません。もちろん、限りある学生生活を無償で提供するべきではない、学生の本分は勉強だからボランティアに参加するべきではない、こういった考え方も一理あると思います。しかし、ボランティアを通してお金よりも、大学で学べることよりも、価値のある経験ができるのではないでしょうか。私は、ここに学生がボランティアに参加する意義があると考えます。

以上が、私がGVプログラムを通して学んだこと、私の考える学生がGVプログラムに参加する意義です。今回紹介できたことはGVプログラムのほんの一部に過ぎません。これを読んで少しでも興味をもった方は、ぜひ実際にGVプログラムに参加してみてください!

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※学生としてハビタットの活動に参加をお考えの方は、こちら(ユースプログラム)をご覧ください。