先日ゴールドマン・サックスのボランティアチームと清掃支援を行ったのは、公営住宅にお一人で暮らす90歳になるAさんです。退職されるまでは学校で教鞭をとられていたそうです。また、60代の頃に難聴を煩い、補聴器が欠かせません。

Aさんは、ハビタットが「プロジェクトホームワーク」を通じて居住環境改善のための清掃や簡易的な修繕支援を行っていること知り、自らハビタットにお電話をくださいました。お話を伺ったところ、高齢になるに従い腰や膝に痛みが出始め、日常生活に支障がでていると話されていました。Aさんのお宅に伺うと、体調不良に加えてもともと体が大きくないことから、高いところの掃除や重い物の移動が大変とおっしゃり、ご自身で家を片付けることが難しいようでした。

入梅したばかりの2018年6月、ゴールドマン・サックスのボランティアチーム4名と共にAさんのお宅に向かいました。集まった4名のボランティアは、Aさんの要望を聞きながら、早速室内の清掃を開始。普段手の届かないエアコンや、黒かびが繁殖してしまったお風呂場、また歳月をかけ積もり積もった箪笥の上の埃などを丁寧に掃除しました。また、Aさんが生活の中で最も困っていたことは、長年押入れにしまっておいた荷物でした。衣類やかばん、扇風機や加湿器など、30年の歳月をかけて集めた物で部屋は溢れかえっていましたが、今では使わなくなったものや、壊れて使えないものなどもたくさんありました。それらがあることで、Aさんご自身が室内を移動するのも一苦労な上、大切なものを整理する場所すら見つからない状況でした。

片付けをはじめると、Aさんの表情からは寂しさが滲み出ていました。思い出と愛着がつまった物を手放すAさんの気持ちを尊重し、ボランティアはAさんに一つ一つ丁寧に確認しながら片付けに取り組みました。一日と限られた時間でしたが、ボランティアとの交流を通して、Aさんは思い出を胸にしまい、たくさんのものを片付けることができました。

そのAさんから、ボランティア活動を終えてすぐに一通のお手紙が届きました。

「台風のシーズンとなります

先日はおいでいただきましていろいろと有難うございます

浴槽もとてもきれいになり、スタッフの方お骨折りおかけ致しまして、

申し訳ありませんでした。おつかれはなかったですか。

本当にありがとうございます。

細々したもの少しずつ体調みながら

捨てる様に致します

本当にありがとうございました

お礼申し上げます」

(ご本人の了承を得て掲載しています)

ハビタットは引き続きAさんを定期的に訪問し、Aさんの居住環境が安心・安全に暮らせる状態にあるかを見守り続けてまいります。