都内に潜む「居住」の問題解消に向けて、ハビタットは2017年春に国内居住支援プロジェクト(PHW: Project HomeWorks)を立ち上げ、ボランティアによる協力のもと清掃支援や修繕支援を行ってきました。

清掃支援とは、さまざまな理由により居住内の片付けができない状況に陥っているにも関わらず、経済的な余裕がないことで住環境の改善を図る手だてを得るのに困難な方を対象に、その方の精神状態や身体ニーズにあわせてボランティアと一緒に居住内の清掃をし、環境改善を目指した活動です。行政や住まいの問題に取り組む他団体と連携し、支援を必要とされる方の情報を集め、これまでに140名を超えるボランティアの方と手を取りあい、20名の方に清掃などを通じた支援を届けてきました。そこで見えてきたのが、衛生的な寝具の必要性です。


布団の交換ニーズ

清掃支援で出会う方の多くが生活保護受給者であり、寝具は生活保護の受給開始時に支給されたものを長く使い続けたことで薄くなっていました。また、経年劣化に加え、片付けが困難なことにより住環境が悪化し、布団は汗や湿気を吸い込み、カビが発生するなど無視することができない衛生状況でした。しかしながら、ご本人に交換の意思があっても、清掃支援後に経済的な理由で寝具を交換できないという課題が残りました。そこで、こういった方を対象にハビタット・ジャパンは森村豊明会の助成を受け、寝具の交換により一層の住環境を改善を提供すべく、合計50セットの布団とすのこの配布を決定しました。

4月の配布決定から2ヵ月、既に多くの方から支援の申し出を受け、4月と5月の2ヵ月で、15名の方にお布団とすのこマットの配布を終えました。


布団配布の様子

布団配布は、ただお届けして終わるものではありません。ボランティアが古い布団を粗大ゴミに出せる形に丸めて縛り、不要なシーツなどは捨てられる状態にし、居住の状態にあわせて室内清掃を行い、新しい布団のセッティングまでを行います。その際に大切なことが「すのこマット」の設置です。床に直接敷かないことで、湿気や汗による布団への傷みを和らげます。また、都内の住宅事情では布団をベランダで干すということも難しいため、すのこを立てることで布団を居室内でも干すことができます。ボランティアの皆さんの協力を得ながら、一軒一軒のお宅を訪問し布団のセッティングを行っているため、スピーディではないですが着実に支援を必要とする方にお届けしています。


プロジェクトホームワークスは収益事業ではありません。自治体や財団による助成金をはじめ、活動の質を高めるためには運営を支えるための資金が必要です。支援活動の基盤を支えるために、皆さまからの活動へのご理解とご寄付へのご協力をお願いいたします。

プロジェクトホームワークスの詳細はこちら
プロジェクトホームワークスへのご寄付はこちら