[バングラデシュ ブアプール発 1月19日 プロジェクト・マネジャー 渡辺 和雄] 建設は、まずは穴堀りからはじまった。
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巻尺で予定地を測量、レイアウトをし、角が直角になるよう調整する。四隅に棒を立て、同時に縦5つ、横に4つ、合計20個の長方形を地面に書いて、鍬(くわ)で掘りだす。深さ50センチメートルまで掘って、直方体の細長い穴をつくり、セメント製の支柱を立てる。20本の支柱が林立したところで、竹を横にわたす。支柱の上部には、竹を縦に固定すれば、一見してこれから家になることがわかる。
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いわば、基礎がコンクリの柱、その上に竹を組んで箱をつくる。さらにその上に、屋根の三角の部分を組みあげるが、これはかなり複雑な骨組みになり、設計図の図面を見ても知っている人が作らないとちょっとムリじゃないかな、という感じだ。
壁には、竹を薄く剥いだものを細かに編んだチャタイというベニア板状のものを使う。
屋根はトタンの波板。日本でも倉庫の屋根などに使われている。
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最初の家が完成するまでに5日かかった。これは予定どおり。
105日のプロジェクト期間は50日を過ぎ、あと2ヶ月を切った。今がちょうど中盤。
プロジェクトを始めたころ、「あっというまの105日間でした、とかいってダッカ国際空港をあとにしたいネ」などと冗談をいっていたものだ。が、本当にそうなりそうだ――。
もっとも「それは120戸ぜんぶ、竹の家を完成してからにして」、というキビしいつっこみが読者の皆様からはいるのは、よくワカッテマス。
(1月19日)