flood07-01.pngバングラデシュでは内陸部に降った強いモンスーンの雨により各河川の水位が上昇し、約100万人が孤立するなど社会生活に深刻な打撃を与えています。以下、概況とハビタット住宅についての現地からの情報です。ハビタット・バングラデシュ事務所も数時間後には浸水する恐れがあると伝えてきており、緊急アピールを発しています。皆様のご支援をお願いします。
概況
災害管理情報センター(DMIC)によると22,097.68平方キロメートルが洪水で覆われ、7,889,414人が被害をうけたとある。また、バングラデシュにある64地区のうち38地区がすでに水面下にあり、まもなくその他の地区も浸水するだろうと予想されている。また、被害軒数は532,732軒との報告もあった。(水没52,297軒、一部浸水480,435軒)災害管理情報センター(DMIC)およびデイリースター紙は(8月4日)少なくとも110人が死亡し、人々は1,241の学校、政府やその他機関の提供する一時シェルターに避難している。(284,335人が現在シェルターで避難している)
8月1日の災害管理情報センター(DMIC)の報告によると、バングラデシュの各河川の水位上昇は最小で4cm、最大で180cmと危険レベル以上にある。パドマ川はゴアルンドで131cm上昇した。ドーガプール洪水予報局によると、ソメスワリ河のネトロコナでは180cmの危険レベル以上の上昇がみられる。上流の水が下流に流れ、現在、下流域において新たに洪水が発生している。新聞や電子メディアは、国内の他の低地域も数日中には浸水するだろうと予想している。
flood07-02.png首都ダッカの東側も浸水し、ボートが唯一の交通手段となっている。数日中にはダッカ全土が浸水するとバングラデシュ洪水予報警報センター(FFWC)はみている。デイリースター紙もダッカ周辺の河の水位の上昇により、48時間以内にはダッカのほとんどの低地部が水に浸るだろうと予想している。バングラデシュの災害管理省(Disaster Management Bureau)では、学校や大学を1998年の洪水災害時と同様に避難所とするよう準備を始めている。
人々は、現在、高台に避難し、食糧や飲み水の不足が緊急の課題である。下痢やコレラ、皮膚病など水に起因した病気がよくみられる。バングラデシュ国際下痢性疾患研究センター(ICDDR,B)では、下痢とコレラの患者の増加により昨日テントを張って対応しており、現在の患者数は500人以上との報告があった。患者の大多数はダッカの低地部の住人であり、清潔でない水を飲んでコレラや下痢に感染したと思われる。これは洪水のどの地域でも見られる現象である。(2007年8月5日デイリースター紙)
政府や他の援助機関は、食糧、飲み水、薬を避難キャンプで配布している。国連開発計画(UNDP)と欧州連合(EU)は2百米ドルを寄付したが、支援は十分ではない。
ハビタット住宅の状況
ハビタット・バングラデシュが行った住居建築はこれまで1,064軒である。その多くは安全な場所に建てられている。しかし、中には低地にある住居もあり、今年の洪水で被害を受けている可能がある。各支部からの報告では、138軒が一部浸水している。今後さらに水嵩が増えれば被害が増大することが予想される。さらに、収入の糧である牛や畑などを失くし、職を失ったホームオーナーは214にのぼり、中でもジェソールの被害がひどい。今後、ホームオーナーの返済が困難になることが予想される。
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バングラデシュ全体でのハビタット住宅の状況
洪水で被害を受けた数:水没 0 
床上浸水など一部浸水:138
危険な状態にある家:117
収入の糧をなくしたホームオーナー:214
被害を受けたホームオーナーの割合:31%
ハビタット・バングラデシュの現在の活動について
ハビタット・バングラデシュは、シェルター以外の食糧や物資の配布といった緊急支援には限界がある。ハビタット・バングラデシュは、現在、関係機関と連携しながら、情報収集と被害状況のモニタリングを行い、各支部(ハビタット・リソース・センター)との電話連絡経路の確保に努めている。被害地への訪問とともに食糧・物資・医薬品の配布、また数ヶ月用の一時的避難シェルターの確保も必要だと考えている。
今後のハビタット・バングラデシュに活動について
ハビタット・バングラデシュとしては、まず、職を失い、返済が困難な状態にあるホームオーナーへの返済支援(3?4ヶ月間)を行いたい。さらに、衛生状態が悪くなった被害家族への井戸とトイレの修理と設置や、一時的に避難が必要なホームオーナーへの避難シェルターの提供も行いたいと考えている。
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ハビタット・ジャパンでは、この災害の被災者を支援、援助することを目的に、義援金の募集を実施します。寄せられた義援金は、公正、適正に被災者支援のための活動に用いられます。皆様のご協力をお願いいたします。
義援金の振込先は以下の通りです。
 【郵便口座】
 口座番号:00100-2-278431 
 口座名義:(特活)HFHジャパン
 お振込みの際には、住所、氏名のほか、通信欄に「バングラデシュ洪水支援」とお書きください。
 【銀行口座】
 振込先:三井住友銀行 中野坂上支店
 口座 :普通 4180738
 口座名義:トクヒ)ハビタット フォー ヒューマニティ ジャパン
 お振込みが完了しましたら、お名前やご連絡先、利用用途としての「バングラデシュ洪水支援」であることを事務局までご連絡ください。(ご連絡がない場合は一般寄付として利用されます。また、お礼をさせていただきたく存じますので、必ずご住所などご連絡くださいますようお願い申し上げます。)