昨年バンクオブアメリカ・メリルリンチとハビタット・ジャパンの初の協働プロジェクトが実現してからちょうど一年目の2017年10月、昨年も支援した児童養護施設に同社のボランティアチームが再訪し、子どもたちの住まいの環境改善ための活動が実施されました。
日本には、親と暮らすことができず「社会的養護」が必要な子どもが4万5千人いると言われています。現在そのうち約3万人は児童養護施設に暮らしています。今年8月、厚生労働省は、社会的養護の将来像を示す「新しい社会的養育ビジョン」を発表しました。このビジョンにおいておおむね7年以内に小学校入学前の子どもたちの75%を里親委託に、また、特別養子縁組の成立件数を5年間で現在の2倍の1,000件に増やすなど、高い数値目標を掲げました。施設での暮らしから、より家庭的な環境での暮らしに移行していくというのが国の方針です。養護が必要となる子どもの背景は時代とともに変化し、児童養護施設もその役割を少しずつ変化させながら運営されており、これまでも一つの施設で養護する子どもの小規模化や地域分散化が取り組まれてきました。今回国が提示した高い目標には福祉関係者から様々な意見が出され、メディアでも取り上げられました。
バット記念ホームは、町田市内の閑静な住宅街の中にある、緑に囲まれた児童養護施設です。この施設でも地域内での新しいファミリーホームの建設など新しい動きがあり、40年という歴史ある施設の中で暮らす子どもの数は少なくなってきています。とはいえ、15名ほどの子どもたちにとってはここが、かけがえのない“ホーム”です。ハビタットでは、老朽化が進む建物の環境改善を継続的に行っています。
10月28日、バンクオブアメリカ・メリルリンチから15名のボランティアが集結し、2つの家庭舎(子どもたちの住まい)の内壁ペンキ塗装を行いました。
作業は昨年も参加したボランティアさんが積極的にリードを取ってくださり、順調にスタートしました。ペンキ塗り作業に入る前にはペンキの飛び散りを防ぎ、より良く仕上げるため養生作業が必要となります。午前中は家具などを移動してから丁寧に養生作業を行いました。
ランチでは子どもたちとバーベキューをともにして交流。昨年よりも多くの食材を用意したにもかかわらず、あっという間にお肉も野菜もなくなりました。子どもたちは少し気恥しそうにしながらも、ボランティアの訪問を歓迎してくれました。
午後になると少し雨が降ってきたものの、ペンキ塗装に大きな影響はなく、予定していた作業をすべて終わらせることができました。壁の汚れとくすみが消え明るくなった室内で、これからも子どもたちは、のびのびと過ごしてくれることでしょう。
こうして継続的に同じ施設とかかわりが持てるのは、応援してくださる企業パートナー、そしてボランティアの皆さまのおかげです。
社会的な役割の変わりつつある児童養護施設ですが、その存在はこれからも大きな意義を持ち続けるでしょう。子どもたちが少しでも安心して過ごせるよう、ハビタットは今後も、住まいの環境改善をお手伝いしていきます。
バンクオブアメリカ・メリルリンチの皆さん、お疲れ様でした!ありがとうございました!
バット記念ホームのみなさんから、お礼の色紙が届きました!丁寧に手書きで言葉や絵が描かれていてとてもかわいらしく温かいお手紙でした。
お手紙ありがとうございます!