10月、J.P.モルガンのボランティアチームが2度の週末に渡り、ハビタットの居住支援プロジェクト(Project HomeWorks)の活動に参加しました。
このプロジェクトは、中野区や練馬区を中心に、高齢者や障がいを持つ方の住まいの片付けや清掃を中心に展開しています。その一環で個人の住まいだけでなく、路上生活者を抜け出そうとする方の一時的な住まいとなるシェルターの環境改善も行っています。
本プロジェクトで連携するホームレス支援団体「つくろい東京ファンド」は、都内でいくつかのシェルターを運営しています。そのひとつに雨漏りがあり、住環境を悪化させていました。雨漏りの原因はシェルターとなっている3階建てのビルの屋上が老朽化により防水効果を失っていたためで、ハビタットの支援により防水工事を終えました。けれど長い間雨漏りにさらされていた居室内の天井板は傷み、カビも発生していました。
10月7日と14日、J.P.モルガンの社員ボランティアの皆さんによる天井板の張り替えと塗装が行われました。
大工仕事がはじめてという人も、プロの大工さんの指示とアドバイスを受けながら、作業は順調に進み、7日には天井の張り替え、14日にはペンキの塗装を終えることができました。
さらに、シェルターの共用部分の廊下の掃除や、外壁の落書き落とし、入居者が退去したばかりの居室の清掃まで、とても丁寧に行ってくださいました。
天井の傷んだ部分をとりはずします。
新たな天井を貼り、ペンキを塗りました。
外壁の落書きもきれいになりました。
シェルターは、路上生活から抜け出そうとする人たちが、身体と心を休め、アパートに入居するまでの様々な手続きを行う間滞在する一時的な住まいです。個人のプライバシーが守られ、安心して自分のペースで次のステップに進むための大切な場所です。しかし、老朽化していく建物のメンテナンスがしっかりなされなければ、そこでの生活環境は不衛生となり、健康を保つのに危険な状態になってしまうこともあります。
今回、JPモルガンボランティアチームの皆さんの活躍により、シェルターの生活環境の安全性と衛生面を改善することができましたことに感謝いたします。
最後になりますがつくろい東京ファンド代表理事稲葉氏から、メッセージが届きましたので、ご紹介します。
このたびは、弊団体の個室シェルター「つくろいハウス」の修繕をしていただき、ありがとうございました。
2014年8月に開設した「つくろいハウス」は、築約60年の3階建てのビルの3階フロアを借り上げて運営しています。居室は7室あり、これまで約80人の生活困窮者に利用していただきました。共用スペースとして使っている305号室は、私たちが借りる前から雨漏りがあったのですが、本格的な修繕には費用がかかるため、物件のオーナーさんによる簡易修繕しか行われていませんでした。それから3年が経って、雨漏りが次第に悪化し、柱の一部に腐食が見られるようになってしまいました。大雨の後には、床に洗面器を置いて水を受けなければならない状態になりました。
今回、修繕工事を行なっていただいたことで、雨漏りを止めることができました。また、簡易修繕のためのパネルが撤去されたことで、活用できる屋上のスペースも広がりました。今後、屋上プランターなどで活用したいと思います。
また、ビルの1階部分の落書きも消していただき、環境も改善されました。入居者の皆さんも喜んでいらっしゃいます。
弊団体の生活困窮者支援活動は、ボランティア中心に行なっているため、環境の整備という面で手が届かない点が多々あります。その点を補っていただき、大変助かりました。
今後とも、弊団体の活動へのご注目、ご支援をよろしくお願いいたします。
一般社団法人つくろい東京ファンド
代表理事 稲葉剛
10月7日。J.P.モルガン社員ボランティアチームのみなさん。青空の見える天気でした。
10月14日。J.P.モルガンボランティアチームのみなさんと。中央に現場を監督してくださった一級建築士の愛場さん。