日本で起きている居住に関する問題にボランティアとともに取り組もうと、今春始まった国内居住支援プロジェクトホームワークス(PHW:Project HomeWorks)。
高齢であったり障がいを抱えているという理由で生活環境が悪化してしまった方に対して、片付けや簡易的な修繕の支援を行っています。
5月に都内で支援の案内を配布した後、連絡をくださった依頼者の方々へ聞き取り調査を行い、ボランティアによる手伝いを行うための準備を進めてきました。
梅雨入り前のさわやかな天気に恵まれた6月10日、キャンパスチャプターの学生ボランティア6名とともに、高齢で一人暮らしの男性Aさん宅と、同じく女性Xさん宅の二か所に分かれてお片付けを実施しました。
①一人暮らしのAさん(80代)宅
Aさんのお宅は、以前に室内の掃除をスタッフが少し片付けを手伝って以来の訪問でした。その時の様子はこちら。
今回は、庭に散乱している樹木の切れ端や家財道具を仕分けし、不要なものをゴミ袋に詰める作業を行いました。
Aさんはひとり暮らしで、体調もおもわしくなく、住居の内部だけでなく、庭にあふれてしまった物の整理や樹木の手入れもできずにいました。
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清掃前の裏庭
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清掃前の前庭
庭に落ちた枝を切る、束ねる学生
この日Aさんは、学生ボランティアが自宅に訪れると、大学で教鞭を取っていた時代を思い出されたようで、ひとりひとりに将来の夢をきくなど声をかけてくださりながら、一緒に作業をし汗を流しました。
2時間ほどの作業で庭は見違えるようにきれいになりました。雨が降れば衛生状態も心配される状況でしたが、この日の作業でその心配も軽減され、Aさんも安心して梅雨を迎えることができそうです。
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清掃後の裏庭
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清掃後の前庭
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最終的に積みあがった、束ねた木の枝、ゴミ袋など
②一人暮らしのXさん(60代後半)宅
Xさんのご自宅は、アパートの2階の小さな部屋です。収納スペースがほぼないことに加え、ひとりで暮らしていることの精神的な負担、腰痛などの身体の不調といった様々な事情を抱え、片付けができない状況で苦しんでいました。家の中には日用品や本にまじって不要なものも多く、ボランティアはXさんに確認しながらひとつひとつ要らないものを仕分けしていきました。短い時間だったため、すべての作業は終わらせられませんでしたが、綺麗になった玄関先を見てXさんも少しほっとされたようでした。
生活環境の改善に加え、若者との交流がいつもと少し違う風を運び、依頼主のお二方、ボランティア双方に笑顔の生まれた一日でした。
今回のPHWの活動に参加してくれた学生が寄せてくれた感想の一部を以下に紹介します。
きっと今回のプロジェクトに参加したメンバー全員が綺麗になった庭や部屋を見て達成感を味わえたと思います。この事業は助けを『必要とする人→僕たちが助ける→関わりが生まれる→さらなる関わりへ→さらなる出会いを求めて』というように循環、発達の仕組みが生まれると考えました。もし僕の考えと違う目的がこの事業にあったとしても、この事業はボランティアについて深く考えさせるきっかけを与えてくれた素敵な取り組みです。参加してよかったです。
素敵な感想をありがとうございました。
ハビタットは居住支援を通じ、コミュニティを支援することも活動の目的としています。まさに、コミュニティは『さらなる出会いを求めて』活性化していくのではないでしょうか?
ハビタット・ジャパンはこれからも学生のボランティアの力を借りて、国内の居住問題に取り組んでいきます。