今年で6度目の開催を迎えた「Habitat Young Leaders Build(HYLB:ハビタット・ヤング・リーダーズ・ビルド)」に参加する日本は、アジア太平洋地域の中でも最大規模数の学生支部(CC: キャンパスチャプター)を抱えています。地震やハリケーンなど、災害が相次ぐ中で高まる防災への関心にあわせ、日本では、ユースリーダーを育てる企画が新たに実施されています。

その一つが、災害マニュアルコンテストの開催です。2016年4月に発生した熊本地震では、CCと協働することで、支援活動を最大限に拡げることができました。この経験を生かし、災害が発生した際に直面する住まいの問題にCCと共に取り組めるよう、CC育成の一貫として「災害マニュアルコンテスト」を実施しました。

コンテストに先立ち2016年10月に開催したCCワークキャンプでは「Disaster Response - 自然災害が起こった時、あなたにできることは- 」をテーマに研修を行いました。それから、4ヵ月、それぞれのCCが熟慮を重ね、地域の特性、CCの個性を生かした災害マニュアルを作り上げました。いつ起こるか分からない災害に備え、事前の備えから、発生した際の避難対応、そしてCCによる復興までのアクションが具体的に取り上げられるなど、研修をはじめ、東北や熊本でのボランティア経験を生かしたマニュアルが集まりました。

事務局内で厳正に審査された結果、最優秀作品には立命館大学びわこくさつキャンパスで活動するCC「TOMSAWYER」のマニュアルが選ばれました。災害が起きた際の事前準備をはじめ、自分たちの地域で、また地域外で災害が起きた際にCCとしてどう対応すべきかが、具体的に時間軸で示されているほか、内容は自分たちの経験を踏まえるだけでなく、さまざまな文献を引用しているなど実用的な仕上がりとなっています。加えて、CCメンバー間でマニュアルをどう共有していくのかが具体的に示され、有効性があると評価されました。その他、上位3位までには関西学院大学西宮上ヶ原キャンパスの「上ヶ原ハビタット」と、関西大学の「MusterPeace」のマニュアルが入賞しました。

コンテスト実施に際して、それぞれのCCが経験をたな卸しするだけでなく、文献を参考に知識を深めるなど、発生していない災害に備えることで「誰もがきちんとした場所で暮らせる世界」の実現に取り組むCCとしての活動を広げる機会につながりました。各CCでは、マニュアルを更に精査し、後輩達に引きついていくことでCCとしての災害対応力を強化していく予定です。

なお、HYLBキャンペーンの最終日である4月22日には、コンテストに入賞した上位3団体から各2名の学生代表を選出し、地元の熊本県立大学の学生と共に、熊本地震の被災地の一つ、熊本県阿蘇郡西原村を再訪します。災害発生から1年が経過する西原村の今を知ることで、CCによる災害支援に生かしてもらうだけでなく、1年後の被災地を見て「誰もがきちんとした場所で暮らせる世界」の必要性を発信していく役割を担います。

若者の参加で変えられる世界がある、そう信じて、日本から、そして日本国内でCCが様ざまな活動に取り組んでいます。