ハビタット・ジャパンでは福祉施設を対象とした施設支援を2025年より東京都内でも展開しています。9月11日には、都内にある母子生活支援施設で、ヒルトングランドバケーションズの社員22名がボランティアとして参加し、施設玄関周りの整備を行いました。

この施設は約20年前に建てられ、現在は約15世帯の母子世帯が暮らしています。DVや経済的困窮など、さまざまな背景を抱えた母子がここで約2年間の支援を受けながら、自立に向けた準備を進めています。施設では日々、安心して暮らせる環境づくりに努めていますが、生活スタイルの変化により、玄関スペースの使い勝手に課題が生じていました。

たとえば、各家庭に備え付けられた靴箱は2段しかなく、靴が収まりきらず自室まで持ち運ぶ必要がありました。また、傘立ては各世帯3本分のスペースしかなく、日傘の利用が増えた現在では、玄関周りに傘が溢れてしまう状況が続いていました。こうした課題に対し、施設から「誰もが使いやすい玄関にしたい」との声が寄せられ、ヒルトングランドバケーションズのご支援により、新たな靴箱と傘立ての設置が実現しました。

当日は、ボランティアが3つのチームに分かれ、靴箱の組み立て、傘立ての組み立て、そして既存の玄関と靴箱の清掃・補修を行いました。見事なチームワークで作業は順調に進み、壊れていた棚の修理も含め、玄関まわりが見違えるほど整いました。

活動の途中には、施設長より入居者の背景や施設で受けられる支援内容、子どもたちの生活の様子などについて説明があり、参加者は真剣に耳を傾けていました。「こうした施設が身近にあることを知らなかった」「行政の支援を通じて誰でもこうした場所につながれることを知り、安心した」といった声も聞かれ、地域の支援のあり方への理解が深まる貴重な機会となりました。

ハビタット・ジャパンは、ボランティアにご協力いただきながら、誰もが安心して暮らせる住まいづくりを目指して福祉施設の環境整備に取り組んでいます。今後も、こうした施設が抱える課題に寄り添い、母子をはじめとする社会的に弱い立場に置かれた人々が安心できる住環境を整えることで、自立への一歩を支えてまいります。