ハビタットの国内居住支援「プロジェクトホームワークス(PHW: Project HomeWorks)」は、ご高齢の方や障がいをお持ちの方など、ご自身では居室を片付けることが困難な方を対象に、居室内の環境改善を目指して清掃・片付けを行う支援です。2017年にプログラムを立ち上げて以来、これまでに延べ400回以上の清掃・支援活動を実施してきました。しかしながら、人的・財政的組織基盤を鑑み、6月をもってPHWの新規相談受付を休止することになりました(詳細はこちら)。
PHWは、補助金や寄付、そしてボランティアに支えられた支援です。支援対象となるホームパートナーが地域で自立した生活を維持できるよう、居室内の環境を整え、ヘルパー制度につなぐ橋渡しとしての役割を担ってきました。昨年6月に相談を受けた坂本さん(50代・仮名)もヘルパー制度につながったお一人です。
精神疾患を患う坂本さんがご自宅で自立した生活を続けるためには、居室の片付けをはじめとした日常の生活援助が欠かせない状態でした。坂本さんはモノに埋め尽くされ、電球すら交換できない室内で、隣の部屋から漏れる灯りを頼りに生活をされていました。地域の相談員さんがヘルパーサービスの利用を検討するも、居室が荒れすぎているため、まずはハビタットに相談が寄せられました。
支援を決定し、最初に掲げた目標は電球の交換です。初回の活動では、電球が交換できるよう、電球周りの床にペースを作り、電球の型番を確認しました。そして、2回目の活動で用意した電球に交換することができました。数か月ぶりに部屋に明かりが灯ると、坂上さんはとても喜ばれている様子でした。
その後の活動では、部屋に散乱したモノを仕分ける作業を行いまいた。坂上さんのお宅は、CDやDVDが多く、その上を無造作に歩かれていたため、割れたケースの破片が部屋中に散乱していました。そのため、いつも以上に細心の注意を払い、慎重に作業を進めていきました。そして、床からモノがなくなり、生活のスペースが確保されたのは5回目の活動を終えたころです。相談員さんからは「ここまでくれば、定期的にヘルパーさんに来てもらうことができます、ありがとうございました」と感謝の言葉をいただき、5回目の活動をもって支援を完了しました。
坂本さんのように、今ある住まいの生活を守るために支援を必要とする人々が多くいます。PHWの休止は苦渋の決断となりますが、PHWを通して住まいの社会課題を広く伝えることができたのも、活動に賛同し、ご寄付を寄せくださる皆さま、またボランティアとしてご協力くださる皆さまのお力添えであり、、これまでお寄せいただいたご支援に心より感謝申し上げます。
Before
After