ハビタットの国内居住支援「プロジェクトホームワークス」は、ご高齢の方や障がいをお持ちの方など、ご自身では居室を片付けることが困難な方のお宅にて、居室の環境改善を目指す支援です。3月は多くのご相談のニーズに応えるべく、ボランティアの方々にご協力をいただき、計9回の清掃・片付け活動を実施することができました。

3月に活動を実施したうちのお一人は、真鍋さん(仮名)のお宅です。真鍋さんは、50代で精神疾患と発達障がいをお持ちです。昨年8月に地域の支援センターから相談を頂き、スタッフが下見に訪問した時、部屋の中はモノが山のように積まれており、その横のわずかなスペースに布団を敷いて寝ている状態でした。体調も悪く、訪問時には横になったままスタッフが話をお伺いしました。

その3か月後の11月、ご本人の体調の回復を待って、1回目の清掃・片付けを行いました。しかし、ご本人はモノを「捨てる」という選択をほとんどされません。4名のボランティアさんのご協力を頂き、1Kの間取りのうち、キッチン側のスペースをつくることができましたが、モノの総量はほとんど変わらず、その1か月後に再び訪問した際には、ほぼ元通りの状態になってしまっていました。

担当する訪問看護師の方に真鍋さんのお宅の状況について相談すると、ご自身の発達障がいの特性から、モノへのこだわりが人一倍強く、モノを手放すことへの抵抗が強いことや、ご自身のペースを乱されることを嫌がり、人から自分がどう思われているのかということを人並み以上に気にしてしまうことを教えて頂きました。担当の相談員さん、看護師さんのご協力を頂きながら、ご本人の特性を理解した上で、お部屋の状況を改善するために、モノを一つずつ手放せるように何度でもご本人に話してみることになりました。

3月、2名のボランティアさんと一緒にご自宅に訪問すると、真鍋さんと相談員さんとで既にモノの仕分けに取り組んでいました。ご本人のお片付けへの気持ちのスイッチを入れるために1時間前に相談員さんが訪問し、片付けをスタートしていたとのことでした。ハビタットのボランティアさんも加わって片付けをスタートさせると、前回までの活動とは変わって、ボランティアさんの声かけにご本人がモノを手放す選択を躊躇なくされていたのです。ご本人の変化に驚いて「何か心の変化があったのですか」とお伺いすると、「体調が以前に比べて良くなり、それと同時になんだか気持ちがふっきれた」とおっしゃいました。それまでの活動ではほとんどボランティアさんとの交流をされなかった真鍋さんでしたが、今回はボランティアさんにも心を開き、積極的にコミュニケーションを取っていらっしゃいました。活動の最後には、「今回終わらなかったモノの仕分けを次回までにやってみます」とおっしゃられ、2か月後に再度訪問する予定を立てて活動は終了しました。

  • Before

  • After

真鍋さんの心の大きな変化には、地域の相談員さんや看護師さんなど、ご自身の特性を理解し、根気強く寄り添う方からの声かけがあったのではないかと思います。また、ご本人が抱える生きづらさを理解しながら寄り添って活動くださるボランティアの方々の存在もまた、ご本人にとって頼もしい存在だと感じます。ハビタットは、地域の福祉団体と協力し、ボランティアさんと協働しながら、広く社会に貢献できるよう取り組んでまいります。PHWはボランティアによるご協力と、皆さまのご支援に支えられています。活動を支えるご寄付はこちらよりお願いいたします。ボランティア募集はこちらをご覧ください。