バークレイズのライフスキル・プログラムを通じて、2023年7月から一年にわたり、神奈川県にある9つの母子生活支援施設で、ひとり親のエンパワメントと経済的自立の支援に取り組みました。

ライフスキル・プログラムは、支援を必要とする方へのスキル向上を図り、雇用につなげることを目指すプログラムです。ハビタットはこの一年間、同プログラムを通じて、これまで修繕を支援してきた施設を含む9つの母子生活支援施設で、家庭内暴力から逃れてきた母親などを対象にスキルの向上を図るさまざまな講座を開講してきました。

母子生活支援施設には、家庭内暴力から逃れた方をはじめ、精神的な障がいを抱えている方、また経済的に困窮されている方など、さまざまな事情により自立に向けたサポートを必要とする母子が暮らしています。バークレイズのライフスキル・プログラムを通じて、ハビタットは、各施設のスタッフの方からニーズをヒアリングし、異なる背景を持つ母親一人ひとりのエンパワメントにつながるよう、講座を選定し、開講してきました。これまでに就労経験のない方や、ご自身の適性が分からず、見つけたい、という方には、職業上の適性を発見するための講座を開講したほか、お金のマネジメントや経済的自立を目指す講座、またマナー講座などを実施しました。さらに、プログラム後半では、就労に役立つパソコンスキルの習得を目指した講座を開講しました。そして、この間に9施設で30人近くの母親が新たな仕事をスタートさせることができました。

ライフスキル・プログラムの就労適性講座に参加くださった参加者のお一人、佐藤さん(仮名)は、精神障がいを抱えながら3人の子どもを育てています。これまで就労してきませんでしたが、お子さんの成長とともにご自身の就労について考えるようになり、福祉作業所での職が決まったばかりでした。講座では、講師のキャリアコンサルタントがカードを使ってさまざまな職業を参加者に知ってもらい、ゲーム形式で参加者自らが自身の適性を発見していきます。講座を終えると、佐藤さんは「講座を通じて、作業所での仕事が自分に合っていることを知れて安心しました」と、気持ちを打ち明けてくれました。

こうした講座の開講に加え、ハビタットは、パソコンスキルの継続的な向上を後押しすることで就労につなげられるよう、パソコン講座を実施した施設に対して、母親たちが共有で利用できるパソコンを寄贈しました。ハビタットによるライフスキル・プログラムの実施は6月をもって完了となりましたが、講座での学びは、母親のエンパワメントを高め、母子の自立につながり続けます。ライフスキル・プログラムを通じて、母子生活支援施設に暮らす母親のスキル向上と雇用創出をご支援くださったバークレイズの皆さまに心から感謝申し上げます。