ハビタットの国内居住支援「プロジェクトホームワークス(PHW)」は、高齢であることや、障がいを持つことで、ご自身では居室を片付けることが困難な方を対象に、清掃・片付け支援を通じて居室の環境改善を目指す支援です。活動は、ハビタットの学生支部(キャンパスチャプター)に所属するメンバーや、活動に賛同くださる企業の方、また個人の方など、多くのボランティアによる協力に支えられています。
「ずっと前から家をきれいな状態に整えて、気軽に近所の人などを呼びたいと思っていたんだよ。ボランティアさんたちに片付けてもらう前はリビングも寝室も人に見せられるような状態ではなかったけれど、もうそろそろ呼べるようになってきたかな」そう笑顔で話すのは、7月に4回目の片付けを終えた70代の岩田さん(仮名)です。
「部屋を片付けたい」その思いから、岩田さんはハビタットに相談を寄せてくださいました。しかし、その直後、持病に加えて脳梗塞を起こされ、緊急入院することになりました。岩田さんの退院を待ち、退院が叶った4月に早速活動を開始しました。居室での転倒を防ぐため、まずは生活動線の確保を目標に掲げて片付けを進めました。これまでの計4回の活動に、合計11名のボランティアが参加し、岩田さんが一日でも早く安心して、そして安全に暮らせる住まいを取り戻せるよう、共に活動くださっています。
4回目となった7月の活動には、前回の活動に参加した学生ボランティアが再び協力しくれました。この日は、押し入れを中心に片付けを進めました。押し入れの中には岩田さんにとっての「推し」のグッズがたくさん保管されています。偶然にも、岩田さんの「推し」と学生ボランティアの好きな「推し」が同じだったこともあり、会話が盛り上がり、和気あいあいとした雰囲気の中で片付けが進みました。
活動終了後に、岩田さんは「デイサービスに行ってもそうなんだけど、若い人に介護されたり、片付いていない家を見られたりすることは、やっぱり恥ずかしいよ。ただ、それよりも自分の居室の状態を整えたいという思いの方が強かったから、今回ハビタットに相談したんです」と教えてくれました。そして、「若いボランティアさんたちがとても丁寧に作業してくれて、とても嬉しかった」と話されました。
PHWは、岩田さんのように、片付けたいけれど、自分一人では片づけが困難な方に寄り添い、清掃や片付けを通じて居住環境を整える支援です。こうした支援を無償で提供できるのは、ボランティアとして活動を支えてくださる皆さんの協力があってこそです。次回の岩田さんのお片付けの活動は、9月に予定しています。ひとりでも多くの方のボランティア参加をお待ちしています。8月のボランティア募集はこちらをご覧ください。