ハビタット・ジャパンは能登半島地震発生以来、家屋の約6割が地震による被害を受けた輪島市門前町で被災者支援の取り組みを続けています。現在は、被災家屋の片付けをはじめ、避難所の環境改善や建築士による被災家屋の相談会に取り組んでいます。こうした活動には、ハビタットのミッションである「手を取りあう支援」が欠かせません。被災された住民の方々をはじめ、門前支所の皆さん、同地域で活動する支援団体の皆さん、建築相談で協働する建築プロンティアネットの皆さん、そしてボランティアの皆さんの協力のもと、住まいの支援に取り組むことができています。

その、ボランティア活動を大きく支えているのが、ハビタットのキャンパスチャプターに所属する全国の学生たちです。ハビタット・ジャパンの強みの一つは全国40もの大学キャンパスに学生支部を有し、総勢3600名近くの学生が活動していることです。

そこで、ハビタットでは、2月末より門前町での取り組みに学生ボランティアの動員を開始しました。石川県金沢市に拠点を置く金沢大学の「金大ハビタット」のメンバーが、定期的に日帰りで活動に参加しています。また、大学の長期休暇に併せて、3月には全国の学生に呼びかけ、23日のボランティア活動を2度実施し、これまでに延べ40名近くのキャンパスチャプターメンバーが活動に取り組みました。

冷たい風が吹き荒れた318日から20日の活動では、ハビタットに寄せられた片付けニーズに対応し、被災された家屋から家具の搬出をはじめ、ハビタットが避難所で取り組む棚作りに3日間かけて協力いただきました。被災地に足を運んだのは、全員にとって初めての経験です。地震による破壊力と、そうした中でも住民の方が復興に向けて手を取りあい生活を続けている姿を目の当たりにし、片付けや棚作りを通じて住民の方と交流することで、多くのことを学び取っている様子が伺えました。活動後に学生と3日間の振り返りを行うと、「棚作りの際に、住民の方から『若い人と一緒に作業できてうれしいわ。いい夢が見れそう』と声を掛けていただけるなど、学生でも誰かの役に立てると感じられた」「家屋の片付けの際、実際に被災された方から当時の状況やその後の行政に関する課題などを伺えたのは貴重でした」などと多くの声が上がりました。

活動期間中は毎日水のでない活動拠点に戻り、寝袋を使い寝食を共にしました。こうした生活からも、日頃当たり前だと思っていた日常にありがたみを感じたという声が聞かれるなど、これからの未来を担う学生ボランティアが被災地に入ることは、被災地支援に加えて、未来を担うユースリーダーの育成につながっていると感じられる声が多く寄せられました。ハビタット・ジャパンでは引き続き学生をはじめ多くのボランティアと手を取りあい、私たちにできる取り組みを通じて被災された方の住まいの再建を後押ししてまいります。

※被災地でのボランティア活動には「赤い羽根「災害ボランティア・NPO 活動サポート募金」(ボラサポ)の助成を受けています。