ハビタットの国内居住支援「プロジェクトホームワークス(PHW)」の活動は、ボランティアの方々に支えられています。
PHWのボランティアに初めて参加した浅野花帆さんに、感想をインタビューしました。浅野さんは今年の春に大学を卒業した元ハビタットの学生団体「キャンパスチャプター」の一員です。留学までの時間を使い、卒業後はハビタットの一員として、全国に広がるキャンパスチャプターの活動をサポートくださっています。
Q:PHWに参加しようと思ったきっかけを教えてください。
私は関西の大学で4年間を過ごしてきました。ハビタットのキャンパスチャプターの一員として活動する中で、PHWボランティアについては知っていましたが、活動が東京都内のため、ボランティアに参加する機会がありませんでした。
でも、ハビタットの国内プログラムであるPHWに自分も参加して、自分自身の目で見て、体験してみたいという気持ちはずっと持ち続けていました。今回、全国学生合同研修を開催するため東京に来ることができたので、PHWに参加する良い機会だと思い、参加を決めました。
Q:PHWに初めて参加して、率直にどうでしたか?
40代で発達障がいをお持ちの方のお宅でお片付けをお手伝いしました。家の中にお邪魔させていただくと、想像よりも環境が整っていないことに驚きました。家の外観からは想像もできませんでしたが、家の中の環境がさまざまな理由で荒れてしまい、支援を必要とする人が存在していることを知りました。また、参加する前までは1回の活動で、ある程度は部屋の状況が改善すると思っていましたが、実際に作業を始めてみると思い入れのあるモノを仕分けることには想像以上に長い時間がかかり、引き続きの支援が必要であることがわかりました。また、たった1回の活動でできることは限られているからこそ、単なる清掃作業以上に、私がホームパートナーさんのためにできることは何かを考える時間にもなりました。今回参加するまでは、PHWのボランティアは単なる清掃活動だと思っていましたが、部屋をきれいにすることだけがゴールではなく、支援を必要とする方とコミュニケーションを通じて、その方の今後の生活のことを考えながら活動することが大切なのだと気づきました。
Q:ボランティア活動の中で、難しいと感じたことは何ですか?
家の中にはモノが大変多かったので、ホームパートナーさんに1つ1つ確認しながら、モノを仕分けていきました。1個ずつ確認すると時間がかかってしまうと思い、3個ほどをまとめてホームパートナーさんに尋ねてみると、3個をそのまま別の場所に置いてしまい、モノの仕分けが進まないことがありました。聞き方が悪かったかなと思い、今度はモノをあらかじめ分類して、同じカテゴリーのモノをまとめて聞いてみました。すると、「これは〇〇だね、じゃこれはここを置き場所にしよう」と仕分けが進みました。この会話のやり取りを通して、この方は、モノの分類の手助けを必要とされていたこと、また、こうした手助けを今まで得られなかったから、居住環境が悪くなってしまったことに気付くことができました。
Q:ホームパートナーさんとお話をして、どんなことを感じましたか?
ホームパートナーさんは、小さい時から片付けができなかったし、また育った家も同じような環境だったと教えてくれました。発達障がいに加えて、小さい時から片付けをする習慣を身につけてこなかったため、モノを仕分けたり、処分する判断に難しさを感じているそうです。何度かお金を払って業者に片付けを依頼したこともあったそうですが、その時、残しておきたいものや手元に置いておきたいものも全て捨てられてしまったそうです。以来、ハビタットに依頼するまでは、外部の人に片付けを手伝ってもらうことにためらいを感じていたと話していました。そうした経験もあり、限られた時間での交流でしたが、ホームパートナーさんの自己肯定感が低い印象を持ちました。PHWの良さは、ホームパートナーさんの気持ちに寄り添い活動できることです。ホームパートナーさんにとって、PHWボランティアと共に部屋を片付け、居室環境が徐々に改善されていくことで、ご自身の自己肯定感も高めていただけたらうれしいです。
Q:PHWのボランティアに参加したことがない人に、どんなことを伝えたいですか?
活動に参加したことで、ハビタットのPHWボランティアは、単なる片付けをお手伝いすることとは違い、支援を求める人の今後の生活を想像しながら一緒に環境の改善を目指す活動だと感じたので、もっと多くの方に活動に参加してもらって、支援を必要とする人がこんなに身近にいることを知ってほしいと思いました。
ハビタットはこれからもボランティアの方々のご協力を頂きながら、ホームパートナーさんに寄り添った活動を継続してまいります。皆様のご支援と、ボランティアとしてのご参加をお待ちしています。