寒さが残る2月23日、グローバル総合金融サービス会社のJ.P.モルガンから社員ボランティア10名がハビタットの修繕支援にボランティアとして参加くださいました。活動場所は、同社がご寄付をお寄せくださった神奈川県大磯町にある児童養護施設「エリザベス・サンダース・ホーム」です。ハビタットは、同施設で40年前に建てられた建物内の男子寮改修に向けて、昨年から施設のスタッフと協議を重ね、修繕計画を立案し、修繕実施に必要な資金を集めてきました。そして、J.P.モルガンをはじめ多くの企業パートナーにご支援いただき、今年の1月にプロジェクトが始動しました。本プロジェクトは、施設に暮らす子ども達がプライベートな空間を持てるよう、寮内のフロアに、3畳ほどの広さがある子ども達一人ひとりの居室、通称「やぐら」を組み立てるプロジェクトです。組み立てに向けては、今年の始めに老朽化した寮内の床や壁の貼り替え、また照明配線の移動と器具の交換などを開始し、準備を進めてきました。

そして、遂に迎えた「やぐら」を組み立てる初日に、J.P.モルガンの社員の皆さんがボランティアとして参加くださいました。「やぐら」は組み立て後に施設スタッフが保守、管理できるよう、素人でも扱えるセルフビルドの作りを基本としています。ハビタットスタッフによるオリエンテーションを終え、「やぐら」のパーツとなる大量の木材を見たボランティアの方からは、「本当に私たちの手で組み立てられるのかしら…」という不安の声が聞かれました。

この日の組み立て目標戸数は2戸です。2チームに別れて、それぞれのチームにハビタットスタッフが入り、セルフビルドに取りかかりました。電動ドライバーの使い方に戸惑われていた方もいましたが、木材にビスと呼ばれるネジを次々と打ち込み面をつなぐ作業が続く中で、次第に扱いに慣れ、上手に壁と床となる面を木材で組み合わせていきます。開始から50分ほどすると床と壁になる面が完成し、次はそれぞれの面を組み立てる作業です。壁は重さがあるため、壁を支える人とビスを打ち込む人に分かれて声を掛け合いながら作業が続きます。そして、外壁が立ち上がると、次は居室内の作業です。内壁に有孔ボードを貼り、床にカーペットを敷いて内装を整え、最後は入口となる扉を設置しました。開始から3時間、子ども達の居室となる2つの「やぐら」が完成しました。

参加したボランティアのお一人は、「子どもたちがこの居室を見て、喜んでくれる姿を想像しながら作業しました」と話されていました。3畳ほどのスペースですが、引き戸の面には透明のポリカ中空板が壁材として採用されているため、居室内に陽が入り、落ち着く空間が出来上がりました。ハビタットはボランティアの方々のお力をお借りしながら、子どもたちが一日も早く自分たちのプライべ―トな空間が持てるよう、あらたにもう6つの「やぐら」を組み立ててまいります。J.P.モルガンをはじめご支援くださった皆さま、完成を楽しみにお待ちください。