「何が起こるかわらないのが人生です。私たちはお互いに助け合う必要があります。ウクライナから逃れてきた人たちの中には、異国の地で、家族も友人もいなければ、何も持っていません。私たちは全力でこうした人たちを支えなければなりません。それは、いつしか自分に返ってくるかもしません」と、ポーランド南部の都市グリヴィツェ(Gliwice)に暮らし、1ベッドルームの広いアパートを所有するダヌータさんは言います。
ウクライナから避難してきた人々を支援する方法を模索していたダヌータさんは、ハビタット・フォー・ヒューマニティ・ポーランドを介して所有するアパートを避難民のために提供してくださったお一人です。ハビタットは、住宅ストックが不足するポーランドのワルシャワ市で、4年ほど前から住まいの支援を必要とする方を対象にソーシャルレンタルハウジングプログラム(社会的賃貸住宅プログラム)を運用しています。ウクライナ人道危機発生以降は、ポーランドに逃れた避難民支援の一環として、このプログラムの対象を避難民にも広げ、中長期での住まいの確保を支援しています。このプログラムは、ハビタットが物件の所有者から物件を直接借り上げ、家賃や光熱費の支払い、住居の適切な使用をはじめ、物件返還時の原状回復を保証するものです。
ダヌータさんは、このプログラムに物件を提供し、ハビタット・フォー・ヒューマニティ・ポーランドと1年間の契約を結びました。ハビタットは物件を借り上げている間、所有者が安心して物件を提供できるよう、そして入居した家族が安心して借りられるよう、双方と連絡を取りあいます。
「物件を所有する友人にハビタットを紹介しました。そしてこれからもこのプログラムを紹介したいと思います。ハビタットと出会ったことで安心感を感じています。また、素敵な家族との出会いをもたらしてくれました」とダヌータさんは語ります。
ヤナさんとビクターさん、そしてドミトロ(13歳)、ミハイロ(11歳)、ビクトリア(9歳)の3人の子供たちと、2匹の愛猫はこの4月にウクライナから逃れポーランドに避難してきました。ビクターさんが溶接工の仕事を見つけ、一家はグリヴィツェに定住することにした。1ヶ月半ほどホステルの狭い一室をシェアした後、ハビタット・フォー・ヒューマニティ・ポーランドを紹介されました。ソーシャルレンタルハウジングプログラムを通じて、一家が安心して暮らせる住まいを手に入れたことで、子どもたちは地元の学校へ通い始めました。ヤナさんは教師になるため、語学の集中講座を受けています。「ウクライナのことを思うと、心が、魂が痛みます。でも、ここは安全だし、私や子どもたちに必要なものはすべてここにあり、私たちは幸せです」とビクターさんは心のうちを明かしてくれました。
ハビタットは、ロシア軍によるウクライナ侵攻以来、ポーランドをはじめルーマニアやハンガリーなどで支援対象を避難民にも広げ、避難してきた家族のニーズに応じて、短期から中長期におよぶ住まいの確保に取り組んでいます。終わりの見えない人道危機に対応していくためには、息の長い支援が必要です。引き続き、ウクライナ人道危機への支援にご寄付をお願いいたします。ご寄付はこちらから。