9月に国内居住支援「プロジェクトホームワークス」の清掃・片付け支援を開始したお一人が、単身でお住まいの80代半ば近くになる平山さん(仮名)です。とても快活でお若く見える平山さんですが、10年以上前から腰を痛めており、今では、膝関節や神経痛、内臓系にも持病を抱えています。起き上がることすら困難な日があることから、ヘルパーサービスの利用を勧められたそうです。しかし、居室内にモノが多く、サービスの利用を開始するには片付けが必要となり、担当のケースワーカ―さんを介してハビタットに相談が寄せられました。そうした状況を受け、住み慣れた家での生活の維持を目指して、ハビタットで清掃・片付け支援を実施することが決定しました。

それからひと月が経過した9月上旬、学生ボランティアを連れて平山さんのお宅を訪問しました。居室内は下見の時に比べると幾分片付いている印象がありました。「昔は埃が落ちているのも気になったのよ」と話す平山さん、片付けたい思いから、ダイニングテーブルの下のモノなどはお一人で少しずつ片付けを進めてきたそうです。それでも、「ちょっとやったらもう進まないの。その後10日くらいは休息が必要よ」と片付けの困難さを口にしていました。

ヘルパーサービスの利用開始とあわせて、平山さんには希望していることがあります。今お住まいのお宅に備わる浴槽は旧式のバランス釜のため、ご高齢の平山さんには風呂釜の高さが高く、安全面から利用することができなくなっていました。ようやく風呂釜を交換する目途がたったこともあり、ここ数年物置となっていたお風呂を使える状態にしたいという希望をお持ちでした。そこで、活動初日は、居室内に置きっぱなしとなっていた粗大ごみの搬出と、風呂釜の上に積み重ねられたモノの仕分けに取り組みました。多くのモノがビニール袋に入れて丁寧に保管されているものの、どの袋も同じように見えます。それぞれの袋の口を開くと、「こんなところにあったのね!」と探していたものが見つかり、お仕事をされていた時の話やご家族のお話しをしてくださる等、終始和やかな雰囲気で片付けが進みました。しかし、平山さんのお宅の片付けにも、難しさがあります。お風呂場のモノを仕分けても、取っておくモノを保管する場所がありません。この日手放すことを決めたモノは多くはありませんでした。保管するためには、既にモノに溢れつつある台所や居室のモノの一部を手放していかなければいけません。学生ボランティアからも「お風呂場から出したモノが居室内のスペースを奪ってしまうんじゃないだろうか」といった心配する声が聞かれました。

居室内の床や壁にはたくさんの洋服が所狭しと収納されています。これからも支援を継続するためには、お洋服をはじめ、今あるモノの一部を手放す必要があります。そのことをご本人にお伝えすると、どれも「まだ使えるの」と話す一方、「友人にあげるわ」といった声も聞かれました。人生の歳月だけ持つモノが多くなり、一つ一つのモノには思い出が込められています。そうしたモノを手放すには勇気が必要になる平山さんの気持ちに寄り添いながら、今のお住まいが安心、安全に暮らせる場となるよう、清掃・片付け支援を継続していきたいと思います。

ハビタットは、ボランティアによるご協力と支援者の皆さまによるお支えにより、無償で清掃・片付け支援に取り組むことができていませす。一人でも多くの方が居室内の環境を改善し、今あるお住まいで生活が続けられるよう、引き続きボランティアとしてのご協力、そして活動を継続するためのご支援をお願いいたします。ボランティア参加はこちら、ご寄付はこちらよりお願いいたします。