8月に国内居住支援「プロジェクトホームワークス」の清掃・片付け支援を実施したお一人が70代の田原さん(仮名)です。田原さんのお住まいはアパートの2階で、お風呂がないため、年齢を重ねるとともに生活に不便さを持ちはじめたそうです。当初、ご本人からはハビタットに住まい探しの相談が寄せられました。しかし、担当のケースワーカーさんに転宅の確認をすると、田原さんの生活環境が悪く、転宅より前に片付けが必要であると告げられてしまいました。そこで、ハビタットの清掃・片付け支援の取り組みについてもお話すると、「ぜひ片付けを手伝ってほしい」と言われ、まずはケースワーカーさんと共に田原さんを訪問することになりました。

訪問当日、アパートの扉を開けると、玄関はモノやゴミで塞がれ、その山を乗り越えてやっと中に入れる状態でした。布団の上にはモノがなく、眠れる場所は確保されていましたが、その周りには雑多にモノが積み上がっている危険な状態です。また害虫の姿もみられ、不衛生な環境にありました。田原さんは「からだが痛くて思うように片付けができないのよ。これまでも業者に頼んで片付けたことがあったんだけどね」と、高齢ゆえに片付けが進まないことを話されていました。しかし、室内にはいくつものウエットティッシュ、大量のラップや電池など、同じものを購入している様子がうかがえました。こうした状況から、片付けられないのは、年齢だけではない、田原さんご自身が持つ特性の影響もあるように感じられました。そのため、ハビタットが一時的に部屋を片付けても、以前と同様、その状態を維持できない恐れがありました。そうした状況を繰り返さないためにも、日常の生活援助を受けれるよう、ヘルパーサービスの利用を勧めたところ、田原さんは迷っている様子でした。知らない人が家に入ることに抵抗感を持ち、ヘルパーサービスの利用を断る方もいます。しかし、今のお住まいを片付けない限りは引っ越しはおろか、住環境を改善することすらできないことから、ヘルパーサービスの利用へと気持ちを切り替えてくれました。

田原さんを訪問後、ケースワーカーさんと共に、その足で介護サービスの案内をしている地域の高齢者相談センターへ向かい、ヘルパー利用の申請をお願いしました。当初ケースワーカーさんは「家の状態が片付かなくては、介護サービスの申請はできないのでは」と心配されていましたが、相談センターの方は「こういう状態だからヘルパーが必要ですということを示すためにも、申請可能ですよ」と心強い言葉をかけてくれました。しかし、介護サービスは申請後に認定調査があり、サービスの利用が開始されるまでには1カ月程度の時間がかかります。そこで、片付け支援の実施日をサービスの利用開始の直前に設定し、ハビタットが片づけ支援を終えた後、元の状態に戻ってしまう前にヘルパーさんが継続支援に入る流れを作ることが大切でした。

間もなくヘルパーサービスの利用が開始されるであろう頃、ハビタットは学生ボランティア3名を連れ、田原さんのお宅の片付けに入りました。害虫のいるお宅だったため、想像以上に大変な作業となりました。それでも、片付けたいという気持ちを持つ田原さんの積極的な参加と、パワー溢れる学生の助けもあり、半日で25袋ものゴミ袋を出し、玄関・キッチン周りはきれいに片付きました。「これで安心してトイレにいけるわ」そう嬉しそうに話す田原さんは、トイレのドアがモノに塞がれ扉を開られず、間に合わないことがあったことを明かしてくれました。

今後はヘルパーさんの支援で玄関・キッチン周りの環境を継続的に整えてもらいながら、布団周りの片付けはハビタットでもう一度お手伝いすることになりました。まずは、ヘルパーサービスを利用しながら室内の衛生環境を整え、その環境の維持を目指します。ハビタットは、引き続き田原さんにとってお住まいが安心、安全に暮らせる場所となるよう見守り続けて参ります。