「子ども達にとって、住環境が整うことは精神面で大きな影響を与えます。例えば、共有のリビング・ダイニングは、家庭同様に、ここにいる子ども達にとっても食事をとり、くつろいだり、会話を楽しんだりする憩いの場です。ただ、そうした場が雑然と乱れていると、トラブルが起きやすかったりします」そう話すのは、バークレイズにご支援をいただき、ハビタットが施設修繕の取り組みを開始した目黒区内にある児童養護施設「目黒若葉寮」の小林さんです。

バークレイズは、新型コロナで影響を受ける世界中のコミュニティを支援する一環として、日本ではハビタットの国内居住支援「プロジェクトホームワークス」と「施設修繕」にご支援をお寄せくださっています。

目黒若葉寮は、1948年に児童養護施設として認可され、以来、家庭にさまざまな事情を抱える子ども達の健全な育成のために養育と自立支援に取り組んでいます。現在は本園施設のほかに、地域分散型のグループホームを5つ運営しています。小規模単位のケアを実現するグループホーム化が進む中でも、本園施設は欠かせないと小林さんは話します。施設がお預かりするお子さんの中には、持病を抱えるために夜間の見守り体制が必要なお子さんや、グループホームでの生活に準備が必要なお子さんがいます。そのような、さまざまな事情を抱える子ども達を適切な環境で養育するには、本園施設の機能は欠かせないそうです。また、本園施設は地域支援の拠点としても大変重要な役割があり、施設で生活する子どもたちだけでなく、子育てに困っている地域のご家庭も支援していきたいと熱く語られていました。

しかし、本園施設そのものは50年近く前に建てられているため、時代の流れに沿った養育環境を整えるための改修や、老朽化などによる損傷ごとの補修が欠かせません。現在は、2階建ての建物を幼児と男女別の3つのセクションに分けて活用し、家庭的な空間を作れるよう改修してきたそうです。しかしながら、男の子のフロアにある共有スペースは施設が建てられた当時の食堂をリビングとして活用しているため、家庭的な雰囲気が少なく、改修を検討していたそうです。また、施設全体のエアコンは、20年近く前に設置したものを使い続けているため、水漏れや、時に冷暖房の運転が突如として停止してしまうなど、夏本場を前に不安を抱えていました。

  • 改修前の共有スペース

  • 改修後の共有スペース

  • 施設内のエアコンを交換

ハビタットの施設修繕を知った目黒若葉寮より相談を受け、ハビタットが支援計画を策定したのは2021年末のことです。コロナ禍のため、着工に幾度となく遅れが出ましたが、子ども達が夏休みに入る前には改修を終えることができました。安心してエアコンが使えるようになり、子どもたちにとって、お家にかわる、安心して安全に過ごせる居場所になりました。バークレイズの皆さま、ご支援ありがとうございました。