昨年9月より月1回のペースで支援を継続した加藤さん(仮名)のお宅の片付けが先日ようやく完了しました。ご高齢の加藤さんは、軽度の知的障害を持つ40代の息子さんとお二人暮らしです。息子さんは駅や街中のフリーペーパーを持ち帰る癖に加えて、趣味の電車や登山の本を頻繁に購入してしまい、気が付いたころには、息子さんの部屋に加え、リビングの床全面が棚に収まりきらない本と雑誌に溢れ、山のようになっていたそうです。

加藤さんのお宅の相談は、当時加藤さんのお宅に繋がったばかりだと話す障害者支援センターの相談員さんよりハビタットに寄せられました。息子さんが作業所への通所を始めたものの、朝起きることができずに欠席することが多かったそうです。そこで、家の環境を改善することを提案し、支援員の方からハビタットに相談が入り、片付け支援を開始することになりました。当時は緊急事態宣言下だったこともあり、ハビタットスタッフと支援員さんで片づけを進めることになりました。加藤さんのお宅はほとんどが紙類や本なので、残しておく本、古本屋へ売る本と仕分け、その他の大部分を占める紙類は、処分するためにただひたすらに紐で束ねていく作業となりました。作業は単純ですが、紙類は重さがあるためゴミ集積所まで運ぶのも大変な作業です。 「身内だと、なかなか言うことを聞いてくれなかったんです」と、積極的に片付けに参加する息子さんの姿を見て加藤さん自身も驚いている様子でした。こうして1回目の活動でリビングの3分の1程度の床が姿を現しました。

3回目の片付けからは、ボランティアとの活動が再開しました。片付けを進める中でついに布団を敷けるスペースができ、それまで不安定な物の上で眠るしかなかった息子さんも喜んでいました。 しかし、ようやくできた布団を敷くスペースの横には大きな本棚が並んでおり、地震が来れば倒れる危険があります。そこでハビタットより棚の転倒防止器具を提供し、ボランティアの協力のもと設置しました。

その後も何人ものボランティアの協力を得ながら活動を進めていきました。加藤さんは毎回ボランティアたちのことを気遣ってくださり、休憩中には和やかにお話しながらの活動となりました。しかし、片付けが進むにつれ、息子さんに不安定な様子が見られることもあり、時に父である加藤さんに不満をぶつけていました。 片づけを進めたいという思いの一方、どんどん物が減っていく環境への不安があったのかもしれません。ボランティアやスタッフへは穏やかに対応くださる息子さんも、加藤さんへは厳しく当たる姿から、家族だからこその難しさも垣間見え、第三者である支援者やボランティアが一緒に活動する必要性を強く感じました。部屋の大半が片付いてきたころからヘルパーサービスの利用が始まり、ハビタットとの活動日以外はヘルパーさんの協力を得ながら片付けが進んでいきました。そこからは片付けのスピードも上がり、息子さんのベッドが使えるようになり、埋もれていた衣装ケースが姿を現し、と一歩ずつ環境が整っていき、加藤さんのお宅での支援を開始して7か月経ったこの4月、無事に支援を完了することができました。

先日、改めて加藤さんより感謝を込めたお礼の連絡がありました。「過去の業者の片付けと比べても費用が掛からない点で経済的にもとても助かりました。家の中がすっきりして、暗くなっても安心して歩ける室内になり、今では日々家に戻ってくるのが楽しみです。本当にありがとうございました。」と、嬉しそうに話してくださいました。これからは、ヘルパーサービスを利用しながら住環境を維持していけることを願いつつ、必要に応じて連絡を取り合いながら加藤さん親子の暮らしを見守っていきます。

ハビタットの清掃・片付け支援は、参加くださるボランティアの協力や、皆さまのご寄付をいただきながら活動を続けられています。ぜひ様々な形でのご協力をよろしくお願いします。