新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの人々がその影響を受ける中、ハビタットの活動に賛同し、キャンパスチャプターとして大学キャンパスを拠点に活動する全国の学生団体もその影響を受けてきました。大学でのオンライン授業をはじめ、キャンパスチャプターとしてのサークル活動の自粛、国内外の支援にボランティアとして参加する機会が減るなど、対面活動の減少により、メンバー同士が協力し合い物事に取り組む機会が奪われ、難しい時間を過ごしています。しかしながら、こうした状況下でもオンラインを駆使するなど、各チャプターそれぞれが今できる取り組みを続けています。

ハビタットにとって、キャンパスチャプターとして活動する若者は、ハビタットのビジョンである「誰もがきちんとした場所で暮らせる世界」の実現に欠かせません。新型コロナウイルスの感染拡大以前から、世界には約10億人もの人々がスラムといった安心・安全を欠いた住環境で暮らしているといわれ、息の長い支援には、これからの未来を築く若者の参加が欠かせません。ハビタットでは、キャンパスチャプターとして活動する若者に、ハビタットによる住まいの支援にボランティアとして参加する機会を提供するほか、若者一人一人の個性を生かしたリーダーシップが発揮できるよう、リーダー育成にも取り組んでいます。その一つが、2019年度より取り組みを開始した「ハビタット・ユース・リーダシップ・トレーニング」です。

今年度の「ハビタット・ユース・リーダシップ・トレーニング」は、実地研修を希望する学生の声を受け、6月から8月にかけて、8地域で、オンラインと対面に分けた2日間で研修を開催しています。本研修では、各チャプターから参加した学生にリーダーシップに欠かせないコミュニケーションスキルを伝え、研修で学んだ手法を用いてディスカッションを行うなど、学生たちのスキルアップに取り組んでいます。

浜松会場で研修に参加した静岡文化芸術大学の安藤さん(3年生)は、「ハビタットが考えるリーダーシップの考え方から、みんなに役割をふったほうがいいのだと知ることが出来ました。今まで代表として作業を抱えがちでしたが、役割をふるというのは相手を信頼すること、さらには全員でキャンパスチャプターを作ることにつながるのだと感じました」と、研修に参加した感想を寄せてくれました。

本研修を通じてメンバー一人ひとりが発揮するリーダーシップは、「誰もがきちんとした場所で暮らせる世界」の実現に向けた社会変革を起こし、持続可能な世界を築く一助になることを期待しています。

※本研修は、公益財団法人電通育英会の助成により実現することができます。