修繕支援はハビタット・ジャパンが国内で取り組む支援の一つです。災害発生後の被災地では、被災した家屋や、コミュニティ機能の基盤となる公民館などの施設の修繕に取り組んできました。また、平時ではさまざまな事情を抱えた人々が一時的でも住まいとして暮らすホームレスシェルターや児童養護施設の環境改善を目指し、修繕支援に取り組んできました。ハビタットでは、こうした施設の修繕支援を2021年春より本格始動いたします。

児童養護施設は、子どもの健全な育成を保障するための児童福祉法で定められた施設であり、保護者のいない児童や虐待されている児童など、社会的な養護が必要な児童が生活しています。エッセンシャルワーカーである施設の職員の方は、子どもたちの養育と自立を育むために、心理面や生活面のサポートに取り組んでいます。一方、子どもたちの日々の暮らしの場となる施設そのものは、一定の基準が設けられ、施設の大規模修繕や建て替えには国や地方自治体から一部補助金が出されています。しかしながら、子供たちがボールをぶつけてできた破損といった簡易修繕や、子どもたちの暮らす居室以外の施設整備に対しては、それぞれの施設による自助努力と管理が必要とされています。

この春修繕支援に取り組む施設の一つが、東京にあるバット博士記念ホーム(バットホーム)です。2016年以来、企業によるご支援と社員ボランティアによるご協力のもと、施設内のペンキの塗り替えをはじめ、子どもたちが集い遊ぶ場となる中庭に芝生を張るといった支援に取り組んできました。

この春からは、老朽化によって外壁が一部破損した子供たちが暮らす寮の修繕に取り組んでいます。破損箇所の修繕だけではなく、35年以上も前に建てられて以来一度も手を付けられなかった外壁の塗装も実施し、今後も長く子どもたちが安心して利用できる住まいとなるよう修繕しています。あわせて、ボランティアの協力を得て、施設敷地内にある側溝の掃除と修繕にも取り組んでいます。

緊急事態宣言解除後、最初のボランティアチームとして325日には、AmazonのAudible(オーディブル)事業部より社員ボランティアの皆さんが参加し、側溝に溜まった枯れ葉などの泥のかき出しをお手伝いくださいました。コロナの影響であらゆるボランティア活動が中止となっていたバットホームにとって、嬉しいボランティア活動の再開でした。そして27日には、ハビタットのチャリティラン「Home Run 2021」でアンバサダーを務める井上真悟さんも参加くださいました。井上さんご自身も、幼い頃に児童養護施設で育った経験があり、「子どもたちが安心して暮らせる場所を目指しましょう」と話す井上さんの言葉に、他のボランティアの皆さんも重みを感じていたようでした。

  • 緊急事態宣言解除後すぐに施設の力になりたいと、協力してくださったAmazon Audibleチームの皆さん

  • コロナ禍で一年近く手つかずだった側溝や裏庭を清掃

  • 「Home Run 2021」アンバサダーの井上さん

  • 側溝修繕のためのセメントを作り

児童養護施設修繕支援には、ボランティアをはじめ、修繕支援を実施するために企業や団体等、多くのご支援が欠かせません。一人でも多くの方が安心・安全に暮らせる住まいを持てるよう、児童養護施設の修繕支援をお支えください。ご寄付はこちら