新型コロナウイルスの流行から約一年、ハビタットの活動の一つである海外建築ボランティア「グローバル・ビレッジ(GV)」は今も全世界的にプログラムを休止しています。こうした状況が続く中、派遣休止決定直前にインドネシアに渡航した学生チームが、先日オンラインでGV報告会を開催しました。

「ボランティアの再開がいつになるかわかりませんが、今できる事はたくさんあると思います。そのできることが何かと考えた結果、今だからこそ私は自分たちが経験したGVをオンラインで他の学生に伝えることだと思いました」そう話すのは、GV休止前の2月22日からインドネシアに渡った学生ボランティアチームのリーダー大場さん(大学3年生)です。コロナの感染拡大に警鐘が鳴らされはじめ、チームがインドネシアにつくころには、入国をはじめ、現地でのボランティア活動に規制が入るなど、大幅な予定変更が求められるようになりました。「明日の予定も分からない毎日が続きました」、チームは7日間予定していた建築活動日数を3日へと短縮するなど変更を余儀なくされ、「家を建てる」というチーム目標が見失われないよう、リーダーたちはメンバーのモチベージョン維持に気を配ったそうです。

こうした不安や葛藤を抱えたGVでしたが、報告会では、ハビタットのこと、インドネシアのこと、現地で出会った家族のことなど、メンバー一人一人が自分の目で見て感じたことを伝える機会をもち、たった3日という建築活動のGVであっても、その時間に参加する価値があったと、参加してくれた約80名の学生に伝えてくれました。

「ボランティアが築くもの、それはただ家を建てるだけでなく、家族の新たな生活への一歩を築くことです」、そう伝えてくれた言葉は、まさにハビタットのミッションである「手を取りあい、家、コミュニティそして希望を築く」活動となったようです。「私は困難な状況に置かれても、それをマイナスに捉えすぎず、自分がそこで今できることは何かないかを考えることを大切にしています。GVでは、自分一人ではなく、メンバーや、現地のハビタット・スタッフの方にもたくさん頼りました。チームのためにも、ピンチの時こそ一人ではなく周りを頼り、良い方向に向かえるようチームで考えました」と話す大場さん、最後には「G Vに対する考えは人それぞれだと思いますが私が1つだけ自信持って言える事があります。それは、G Vリーダーをやって良かったということです。皆さんも、何か1つ成功体験をしてみてください。大袈裟かもしれませんが、もしかしたら人生が変わる瞬間になるかもしれません」とメッセージを伝えてくれました。