2011年3月の震災の際に、マグニチュード6.5の地震被害に見舞われた内陸の町、涌谷町(わくや)。ハビタット・ジャパンは、同町でホームリペア(住宅の修繕)支援を今年7月から行っています。
涌谷町に住む山田さん(仮名)宅の修繕作業は、10月中旬から始まりました。築100年近いというこちらのお宅は、木造の平屋建て家屋です。昔ながらの土壁にはところどころに崩落が見られ、隙間が空いている箇所も。サッシも抜け落ち、そこにはビニールシートを被せたまま生活しているような状態でした。山田さんの希望もあり、本格的に寒くなる前の完成を目指して修繕を急ぐことになり、地元の大工さんによる手際のよい修繕工事が進められました。
山田さんは震災当時の様子をこう振り返ります。「あの時の地震で、サッシのガラスが粉々に割れてしまいました。雨風をまず凌がなければいけないと思い、ビニールシートを被せておいたんです。でもそのシートはそれ以来ずっとそこに被せたきりで、修繕には手が付けられないままになっていました。町役場の支援制度を使って直してしまおうとも思ったのですが、タイミングを逃してしまいました。ハビタットさんのこの支援が最後のチャンスだと思って、とにかく修繕しようと決意し、電話しました。」
今回、修繕を終えた山田さんは、「修繕した部分には、蜂が巣を作ったり、猫が住み着いたりしてしまい、不衛生でした。ずっと気になっていた修繕がようやくできました。ハビタットの支援がなければ、修繕できないままだったと思います。」と、とても安堵した様子でした。
涌谷町ではこれまでのところ、6世帯からの申し込みがあり、うち3世帯の修繕が完了しました。地震による被害としては、内壁や浴室タイル、外壁等の破損が多く、ボランティアも参加して修繕の作業を行っています。