2012年7月から2013年3月まで、ハビタット・スリランカと連携して、トイレと井戸の設置を行い、紛争帰還民のために水と衛生環境の改善を支援したスリランカ北部マナー県サンナール村。この3月中旬に青山学院大学「SHANTI SHANTI」のチームと一緒にこの村を再度訪れ、現在の様子を視察して来ました。
約1年ぶりに訪れた村では、現在、ハビタット・スリランカによって恒久住宅の建築が進められていました。約200世帯の村で、寡婦や低所得世帯を対象に100件の建築を目指しています。村の人々は、2009年に避難先から帰村しましたが、依然として耐久年数が2年に満たない仮設シェルターで暮らしています。重なる雨風と強い日差しの影響でシェルターの損傷が激しいため、丈夫な家の建築は急務です。現地では、鍬を手に基礎設置のための溝堀りのスウェット・エクイティに励むホームオーナーの姿も目にしました(写真右)。
水とトイレの衛生支援を2012年7月に開始した頃、丈夫な家を手に入れることは村の人々にとって夢のような話でした。WRDS(女性住民組織)のメンバーとして、村組織づくりに貢献してきたワサンダメリー(Vasanthamary)さんは、村の変化をこのように振り返ります。
「ハビタットの支援によって、サンナール村の住民は自分たちが暮らす土地を確保することができ、それに伴って心待ちにしていたトイレが設置されました。他の支援団体もサンナール村の支援に関心を持ってくれるようになり、村道が舗装されました。更に、恒久住宅の建築に伴って、政府が電柱を建て始めてくれたのです。村での生活が少しずつ、でも確実に変わって来ています。」
ハビタット・ジャパンは、サンナール村の定住支援を後押しするべく、今後の支援の可能性を探っています。
写真(左から)【損傷が激しいシェルター】 【進む恒久住宅の建築】 【配電に向けて立ち始めた電柱】
◆関連情報
2013.03.11 【北部 第31報】サンナール村の紛争帰還民を救うトイレ