海外建築ボランティア「グローバル・ビレッジ(GV)」は、12名以上のメンバーからなるチームで支援地に赴き、建築活動を通じて現地の住居問題の解消に寄与する一方、現地の家族(ホームオーナー)やコミュニティの人々、大工さんとの交流を通じ通じて異文化に触れることができるボランティアプログラムです。毎年多くの学生が参加しますが、学生たちはどの様なきっかけで参加を決め、GV活動を通して何が見えてくるのでしょうか。この春ミャンマーに赴いた同志社ハビタット(同志社大学)では、帰国後、チームリーダーたちが今回初めてGVに参加したという学生へインタビューを行いました。応えてくれたのは大学生の今井さんです。

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まずは、GVに参加したきっかけを教えてください。
→「私は入学前からGVの存在を知っていて、GVに行こうと決めて同志社ハビタットに入りました。その理由は、社会人になってから参加するのでは何か違う、大学生のうちにしか経験できない事があるのではないかと思ったからです」

ミャンマーで初めてワークサイトに到着した時の第一印象はどうでしたか?
→「色々なことを感じましたが、初日に車から降りた時、ワークサイトの人たちがお花を持って出迎えをしてくれたことがすごく驚きでした。自分たちの存在を歓迎してくれていることが伝わってきましたね」

 ミャンマーの人々はどんな印象でしたか?
→「とにかく優しい!優しいんです。知らない人にあいさつしても手を振って笑顔で返してくれます。そして活動中はホームオーナーさんとばかり関わるものだと思っていたのですが、ワーク期間を通して徐々にと大工さんたちとも仲良くなっていきました。そして最終日では、村の人がほっぺたに“I LOVE”と書いてくれるなど彼らからの愛を特に感じました。あと、子どもたちや村の人たちが最後の見送りをしてくれる時に、私たちの車が見えなくなるまで手を振ってくれたんです。初日は一人も見送りには来ていなかったんですよ。とにかく嬉しかったですね」

ここまで様々な印象深い場面を挙げて頂いたのですが、現地で一番印象に残っているシーンはなんですか?
→「う~ん、そうですね。最終日に、ホームオーナーさんが完成した家にもたれかかっていたところです。その光景を見て、私たちの作ってきた家が‘‘ホームオーナーさんの家‘‘になったんだなと感じました。私たちは作り上げた家に暮らすホームオーナーさんたちの姿を見ることはできないけれど、だからこそこの地にきて、一つの家を作り上げたことに意味があるなと感じました。今も暮らしているんですよね…。あのシーンはすごく良かったです」

 では次に、今井さんが初めてのGV活動をどんな気持ちで過ごしていたのかを聞いていきたいと思います。
→「頑張ったことというか、意識していたことは一生懸命にやる姿勢を崩さないことです。ワークサイトでは子どもも含めて色んな現地の人々が私たちのことを見ているし、一生懸命にやってくれたんだなと現地の人に思ってもらえることは、もっと大きな何かに繋がると思っています。だから毎日心がけてましたね。それとミャンマーの人々との交流の中ではThank youを使わないようにしていました。英語は彼らにとっても私たちにとっても異国の言葉なので、極力現地の言葉を使うように心がけていました」

準備からミャンマーでの活動までの約4か月を通して、GVに対しての気持ちにどういう変化がありましたか?
→「最初は自分の経験にしたいという、自分のための参加でした。でもミーティングを重ねていく中で、GVはホームパートナーさんたちという対象がいてこその活動だということに気づけました。その対象によって私たちの行動や活動が変わってくるのかなとも思います。だから最初は自分のための活動だったのが、そこからホームオーナーさんのためになり、最終的には仕事を与えてもらい、一緒に家を作ることに対する感謝を持つようになりました。そうした気持ちが自然とついてきたという感じです」

 では最後に、初めてのGVを通して得たものやGVへの思いを教えて下さい。
→「大きく自分の中で変わったことは、感謝と一緒に家を作るということを本当に理解できたことですね。自分が経験したことで、やっと理解することができました。そしてGVを通して全く見知らぬ土地の人たちの未来に関わることを、チームメンバー、そしてミャンマーの人たちと共にできたことが私にとってとても大きなことでした。一言では表せないGV、興味があるのならぜひ行ってみてほしいです」

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 今井さんは初めてのGV活動を通して、自分の気持ちが変化していったことを感じたようです。自分たちが真摯に家づくりに向き合うことで、それが現地ミャンマーの人たちに伝わり彼らとの関係が深まっていきました。GVは単に家を作る活動ではなく、その経験をチームメンバーや現地の人たちと共に味わうことにこそ価値がある活動だということが、今井さんの「感謝と一緒に家を作る」という言葉に表れています。
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