甚大な地震の揺れにより、人的被害に加え多くの建物被害を残した熊本地震の発生から4月14日で丸4年が経過しました。ハビタットでも、住まいを失った被災者を支援すべく、熊本県西原村にスタッフを派遣し、災害ボランティアセンターの運営をはじめ、住宅のコンサルティングや公民館の再建などをお手伝いし、多くのサポーターの皆さん、そして支援団体のスタッフと手を取り合い被災者支援に取り組むことができました。
あれから4年、今もハビタットの学生支部であるキャンパスチャプターが日本全国から西原村を訪問し、スタディツアーや地域のボランティア活動に参加しています。その一つが熊本県立大学を拠点にキャンパスチャプターとして活動する「ぷくはび」です。ぷくはびは、全国の学生が有志でハビタットの海外建築ボランティアGlobal Villageプログラムに参加する年一度の企画「Step to Peace」に同校の学生が参加したことを機に、キャンパスチャプターが誕生しました。まずはキャンパス周辺地域でのボランティア活動の実践からキャンパスチャプターとしての活動をスタートすることになり、その一つが、西原村でのボランティア活動であり、今も定期的に西原村を訪問しています。
ぷくはびが現在取り組むボランティア活動は、震災後に始まった子ども食堂に隣接する「子どもの森」という、食堂を利用する子どもたちの遊び場となる場所を作る活動です。定期的に現地を訪問することで、西原村の復興の様子を直接肌で感じることができると話します。また、全国のキャンパスチャプターが西原村を訪問する際には、仮設住宅で語り部さんのお話を聞く機会を設けるなど、スタディツアーの企画をサポートしています。
ぷくはび代表の林田さんは、こうした活動を継続する思いを次のように話します。
「ここまで大きな地震を経験したのは私にとっても初めてで、本当に怖かったことを覚えています。私が暮らしている熊本市は阿蘇や益城に比べると被害は小さかった方ですが、それでも直後は水道やガスが止まり、道路は液状化し、それまでの生活とは一変しました。一週間ほどの車中泊を終えても、一日に何度も余震が来る生活が何か月も続きました。最初は怖かった余震も徐々に慣れはじめ、正直今はあまり地震に驚きません。しかし、慣れたからと言って熊本地震を忘れることはできないし、絶対に忘れてはいけません。私たちは震災を体験した者として、風化させないために伝えていくべきだと思います。自然災害は予測不可能であり、事前に防ぐことは難しいですが、起こった時のために用意しておくべきものや起こった後の行動など、体験したからこそ分かることを伝えることは、私たち学生にもできることだと思います。今も、一日でも早い復興のために力を尽くしてくれている方々が大勢いることを忘れず、自分たちにできることをしていきたいと思っています。」
ハビタットでは、誰もが安心・安全に暮らせる住まい、そして地域を持てるよう、これからの未来を担うキャンパスチャプターによるレジリエンスへの理解と学びを応援しています。