ハビタット・ジャパンでは、キャンパスチャプターに所属する学生たちと協力し、毎月都内某所にある女性シェルター『女性の家HELP』でボランティア活動を実施しています。この活動も開始してから4年が経ちました。人手が足りず、行き届かない施設のお掃除を手伝うことから始まった活動ですが、今では季節ごとのイベントのお手伝いや、小さなお子さんの遊び相手など、訪問したタイミングで必要とされる活動をお手伝いしています。

この『女性の家HELP』は、1986年に設立された、女性とその子ども達のための緊急一時保護施設です。特に、日本国籍以外の方の受け入れを行っているなど、さまざまな文化背景を持つ方のサポートに取り組んでいます。シェルターには、10代から90代のご高齢の方までと、幅広い年代の方に利用されています。入所の背景は、ドメスティックバイオレンスとよばれる家族や恋人からの肉体的・精神的な暴力や、突然の解雇により住まいを失うなど、さまざまですが、その多くがご本人だけでは解決できない問題です。特に『女性の家HELP』は、助けを求める女性たちがまず初めに拠り所とする緊急保護施設であり、施設内での生活には安心と安全への配慮が求められます。また、スタッフの皆さんは、入所された方が心身共に休まり、回復できるよう、温かみのある居場所づくりを目指しています。

キャンパスチャプター学生と昨年末訪問した際には、清掃のお手伝いに加え、古着の仕分け作業をお手伝いしました。着の身着のままシェルターに保護された方をはじめ、入所された方のために、全国から古着が届けられますが、中にはデザインが古いものや、着古されているものも。スタッフの方は、入所された方にお渡しする洋服一つにも気を使い、定期的に仕分けを実施しているそうです。

参加した学生ボランティアは、「仕分けをする中で、自分が必要とないと判断したものを、もったいないからといって何でも寄付するということは、本当に必要な支援なのだろうかと考えさせられました。毎月お掃除などのお手伝いをしていますが、シェルターの環境をきれいにしておくこと、またお庭にお花を植えること、またファッションを楽しみたいと元気がでるような洋服を選べること、こうした一つひとつのことが、不安を抱えてシェルターにたどり着いた女性たちにとって、『声なき応援』となっていると気づきました」と語ります。

ハビタット・ジャパンでは、個人宅をはじめ、人々が生活する場所となる施設の住環境改善にも取り組み、誰もが安心・安全に暮らせる住まいの実現に取り組んでいます。ハビタット・ジャパンでは今後も学生ボランティアとともに、『女性の家HELP』での活動を継続してまいります。