ritsumeikanmoriyama201208301.jpg滋賀県守山市にある立命館守山高校の3年生26名(教員2名)が今夏、タイの首都バンコク郊外に位置するパットゥンタニ県(Pathumthani)で海外住居建築活動に参加。10日間程にわたり、地元住民と共に汗を流して一軒の家の建築を行いました。
 
守山高校では、「国際人」を育て上げるための実践的な教育プログラムとして、高校3年生全員が参加する海外研修を実施。今回、ハビタットのGVがこの海外研修プログラムの一つに選ばれ、インターナショナルスクール以外では初となる高校派遣のGVが実現しました。
 
支援の現場で、汗まみれで学ぶ 
「教室での学びを実践に!」を合い言葉に守山高チームは「まずはしっかり学ぼう」と、現地に赴くまで、半年という月日をかけてタイの社会や歴史、文化を学び、異文化を理解することができるベースをつくり上げてきました。しかし実際の現場では、そうやって学んだことがうまく生かせず、様々な違いにぶつかって考え込む生徒の姿も。特に、現地の人々とのコミュニケーションの問題は大きく、当初はホームオーナーや現地の大工さんとの会話に不自由さを感じた生徒たちも多かった様子でしたが、建築作業が進むと共に、自然な会話や笑い声が増えていきました。「コミュニケーション=言葉だけではない」ことを実感した生徒たちはそこから、全員が同じ目標に向かって一緒に汗を流し働くことの意味を理解。ワーク後も毎晩、チーム内で振り返りのミーティングを行い、自分たちが築き上げているものは何か、もっと自分を伝えるためにはどうしたらよいのかなど真剣に議論する姿が印象的でした。
  
チームが現地で築いた「みらい」
活動初日、ワークサイトには柱と屋根しかありませんでした。強い日差しが照りつく一方、突然スコールが襲ってくる環境。生徒たちは、「本当に完成するのか」と不安な表情を見せる場面もありました。しかし、チームと一緒に汗を流し、一日も早いマイホームの完成を望むホームオーナー家族の思いに応えたいと、生徒たちは最後までチームとしての集中を切らさず作業を続けていきました。 
RitsumeikanMoriyama2012 (23).jpg生徒たちは、「みんなが同じ目標に向かって一緒に汗を流し働くことは、作業の大変さを軽くし、ワークサイトがみんなの笑顔で溢れ、協働する楽しさを分かち合えるものでした。完成した家の前で、家の贈呈をして、みんなで写真を撮った時の達成感、一体感は決して忘れません」、「この活動に携わってくださった皆さんとの出会いに感謝の気持ちでいっぱいになりました。高校生という時期に、GVという素晴らしい経験ができたことに感動し、幸せを感じています」などと話してくれました。
今回チームが支援したのは一軒の家、そして海を越えた異国の地で生活する一つの家族の未来でしたが、同時に彼らは自分たちの未来もまた、切り開いて帰ってきたのかもしれません。