ハビタット・フォー・ヒューマニティが正式にミャンマーにオフィスを開設し支援活動に取り組み始めたのは2014年です。日産自動車株式会社による支援を受け、デルタ地域で支援を開始した後、2016年からはバゴー地域で住まいの支援に取り組んでいます。住居の建築をはじめ、生計支援の一環として職業訓練を実施するほか、衛生環境の改善にも取り組んでいます。また、現在はヤンゴンでも活動を行い、それぞれの地域でコミュニティのエンパワメントに取り組んでいます。
昨年度(2018年7月から2019年6月)は、日本から新たに株式会社リクシルがパートナーに加わり、途上国向けに同社が開発した簡易式トイレシステム「SATO」(以下SATO)をご寄付いただき、日本から6,315基をバゴーの行政に届けることができました。その他にも、日本から約50名ものボランティアが海外建築ボランティア「グローバル・ビレッジ」プログラムを通して、ミャンマーの住居建築活動に参加し、4家族の住宅の建築に参加してくださり、アジア太平洋地域の貧困住居問題の解消を担い、ミャンマーが抱える問題に寄与することができました。
ミャンマーにおける1年間の支援実績
>> 衛生支援
ヤンゴンおよびバゴーにある地区に住む 757 の家族に対して、トイレ設置および掘り抜き井戸の設 置を行い水へのアクセスを支援したほか、衛生的な飲料水が利用できるよう、コミュニティで管理・普及していくた めの組織体制づくりを後押ししました。また、公立学校 3 校において衛生施設の改善を行い計 872 名の学生が安心してトイレ施設を使えるようになりました。あわせて、コミュニティ共用のトイレも 5 軒建設しました。
「私たちの学校には、トイレが 3 つしかありませんでした。一つ は先生用、二つが 235 人の学生が使うトイレでしたが、そのう ち一つが壊れて動かなくなっていました。建てていただいたト イレは、高学年の学生が使います。彼らは新しいトイレを使え ることになりとても喜んでいます。」Daw Khin Myo New, School Head Master, Kauk Pyat Primary School
>> 住居建設
2019 年度は、バゴーに住む 24 の家族が新しい適切な住まいに入居することができました。さら に 100 軒の住居修繕・改善にむけた受益者の特定にむけてのプロセスも開始されました。日本の夏は現地の雨季にあたるため、日本からのボランティアの派遣は行えませんが、来春は一世帯でも多くの家族が安心・安全に暮らせる住まいを持てるよう、ミャンマーへのボランティア派遣を働きかけ、現地の家族を支援して参ります。
>> 生計支援
124 名が住居の建設と維持、電気、エアコン、冷蔵庫、縫製などの職業訓練を受講しました。
ハビタットでは、引き続きミャンマーをはじめ、アジア太平洋地域に暮らす家族が抱える住居問題の解消に取り組んで参ります。ボランティアとして、寄付者として、活動へのご支援をお願いいたします。ご寄付のお申し込みはこちら。