「形にこだわるよりも、今日はプロセスが大事だよ。意見を出しあって、それぞれから学んでいけばいいんだよ」と声をかけるのは、ハビタット・ジャパンのキャンパスチャプターを長きにわたりご支援くださる、ゴールドマン・サックスの社員の方。コミュニティ・チームワークス(CTW)というゴールドマン・サックスのボランティア活動を通じ、2014年以来ユースリーダーの育成にご協力いただいています。また本年は初の試みとして、6月7日、シンガポールのCTWボランティアの方々にもご協力いただき、両国のキャンパスチャプターに対してユースリーダー研修を同時開催しました。

ハビタットでは、支援を継続していくために、次世代を担う若者の育成にも注力しています。そこで、活動に参加する学生団体をキャンパスチャプターとして組織し、アジア太平洋地域では日本をはじめ、シンガポールや韓国、フィリピン、中国、香港などでキャンパスチャプターが活動しています。その中でも、日本の規模は最大規模となり、44ものキャンパスチャプターが全国で活動しています。キャンパスチャプターは海外建築ボランティア「グローバル・ビレッジ・プログラム」への参加に加え、募金活動や啓発活動を行う役割も担っています。ハビタットでは、ボランティア活動をはじめ、活動への助言やサポート、ユースリーダー研修など、様々な学びの機会を学生に提供することで次世代のリーダーの育成に取り組んでいます。

ユースリーダー研修には、日本とシンガポール各拠点に合計30名の学生が集まりました。今、そして近い将来自国が抱えるであろう社会課題を議題に、その課題にキャンパスチャプターとしてどう貢献できるか、そのためにリーダーである自分たちに必要とされるスキルは何かを考え、意見を出し合ってもらいました。各チームにはCTWボランティアがファシリテーターとして参加し、チームの意見を円滑にまとめ、チームとしての意見を発表するプレゼンテーションの作成をサポートしてくださいました。「目的をシンプルに分かりやすく」、「インパクトが大切」、「声の出し方や背筋を正し堂々と話すことが大切だよ」、CTWボランティアから助言をいただき、即座にプレゼンへと反映することで、自分たちのスキルアップへつなげていく学生リーダーたち。そして、各国、各チームの準備が整うと、シンガポールと中継をつなぎ、それぞれのチームが英語でプレゼンを行いました。公用語として英語を話すシンガポールのキャンパスチャプターに負けず、日本のキャンパスチャプターも堂々とプレゼンを行うことができました。

参加した学生の一人、早稲田大学で副代表を務める伊藤美咲さんは「組織におけるリーダーの立ち位置や、リーダーとしてメンバーとの距離をどうとっていくかということを考える機会を持つことができました。また、日本とシンガポールでは学生を取り巻く環境が異なることから発表内容にも違いが見られ、刺激を受けることができ、自身の成長に繋がりました」と振り返りました。

「プロセスが大事」だとCTWボランティアの方が話してくださったように、参加した学生からは、多様な意見や価値観に触れ、リーダーとしての学びを得ることができたとの声が溢れる、またとない機会となりました。