4月13日(土)、国内居住支援プロジェクト(PHW:Project HomeWorks)のボランティアデイを開催しました。キャンパスチャプターのOBOGをはじめ、高校生や一般の社会人の方など、計13名が参加し、2軒のお宅で片付けを通して住環境の改善に取り組みました。

 その日訪問したお宅のうちの一軒、都内で一人暮らしをされている78歳の佐藤さん(仮名)宅での活動をご紹介します。

佐藤さんは現在入院をしていて、GW明けに退院を予定しているそうです。そのため、今回支援を要請したのは佐藤さんにとってただ一人の姪の田中さん(仮名)です。佐藤さんが入院されるまでは、田中さんが佐藤さんのお宅を訪ねても家に招き入れてくれることはなく、ここ数年関係を持てていなかったそうです。しかし、入院をきっかけに佐藤さんが介護認定を受けることになり、親戚である田中さんが呼ばれることとなりました。そこで、佐藤さんの担当ワーカーさんと共に退院後のケアプランを練り、介護ベットを入れることが決まりました。あらためて退院に向けて居室内の確認に訪れると、そこは足の踏み場もないほどに物が溢れていました。退院後は、料理をするのは難しいことから、キッチンを占拠していた冷蔵庫や不要な家電や家具などは全て廃棄することに決めました。しかしながら、居室内の物は佐藤さんの思い出や、思い入れの強いものがたくさん残されていることから、一つ一つを丁寧に仕分けする作業が必要でした。退院予定のGW明けまでは1ヵ月程度しかない上に、田中さんのお宅から佐藤さんのお宅までは1時間以上かかる距離にあり、到底一人では対応しきれないと頭を悩ませていたところ、担当ワーカーさんからハビタットの活動を聞き、支援の依頼に至ったそうです。

活動当日、5名のボランティアが佐藤さん宅の活動に参加しました。担当ワーカーさんも当日活動に駆けつけてくださいました。キッチン部分のものはすべて撤去されていたので、田中さんと3名のボランティアが部屋の中に入り、指示に従い仕分けを行い、残りのメンバーでキッチン部分に出されたものをゴミ袋に詰めてゴミ出しする準備に取り組みました。

洋裁が趣味だった佐藤さんのお宅からは沢山の糸や布が出てきたほか、床にはたくさんのマチ針が落ちていました。怪我のないよう、足をきちんと靴でガードしながら慎重にマチ針を拾いながら片付けを行いました。不要と判断された物がゴミ袋に詰め込まれ、積み上げられていくと、改めて到底田中さんが一人では片づけきれない量だと参加したメンバー全員が感じていました。

担当ワーカーさんにこれまでこうしたケースにどう対応していたかと伺うと、「私たちが片付けに協力する他ありません」と教えてくださいました。他にどうすることもできないので、退院後の生活を安全なものとして確保するには、本来のワーカーとしての役割を越えて、動かれるということです。こうした社会福祉サービス隙間を埋めれるのが私たちハビタットとボランティアの役割だと改めて活動の意義を実感することができました。

午後から開始し、実働3時間の活動でしたが、たくさんのボランティアの力で大量に敷かれていたものが片付き床が見えました。田中さん一人でも佐藤さんの退院までの間に、片づけることができる状態まで部屋の環境を整えることができました。この日に出たゴミの量は30袋を超えています。活動を終えると、田中さんからは「皆さんがいなかったら、どうすればよいのかわからなかったです、本当にありがとうございました」と感謝のお言葉を頂きました。

活動後は事務所に戻り活動の振り返りを行いました。「久しぶりの活動でしたが、とても有意義でした。人の手が入る必要があるということがよく分かりました」といった声や、「チームワークが発揮されていました!」といった声が聞かれました。

ハビタットが展開する国内居住支援活動には、ボランティアによる協力、参加は欠かせません。引き続き活動へのご参加、ご支援を宜しくお願いいたします。活動へのご寄付はこちらからお願いいたします。

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