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活動3日目となる5月1日、12名のチームメンバーは昨日に続き、大船渡市と陸前高田市の両市に分かれ、がれき撤去および清掃作業活動を行いました。
Doshisha Habitat(同志社大学)の西川賢一郎さんは、本間文麿さん(64歳、写真右)が所有するアパートの清掃を担当。津波で濡れた壁紙をはがす作業を行いました。
本間さんは、「家と生計の手段を同時に失い、震災直後はどうすればいいのか分からなかった。すべて投げ出して何もかもあきらめてしまいたい衝動に駆られた」と被災当時の様子を教えてくれました。その後、避難所でボランティア派遣の話を聞き、「最初は懐疑的だったが、ハビタットのボランティアに出会ってようやく希望が見えてきた。本当にうれしかった。」と語ってくれました。
西川さんは、他の3名のボランティアと協力し四室あるアパートの二室から汚泥とごみを除去。本間さんについて「震災でとてもつらい経験をしたにもかかわらず、前向きな人。『この被災状況を多くの人に伝えたい』と話してくれた。このことが私たちボランティアにまず出来ることだと感じる」と気持ちを新たに話してくれました。
大船渡市内中学校で教員をする浦島健二さん(27歳)も、今回、ハビタットのボランティアを両親と住む自宅に迎え入れた一人。ご両親が営む割烹料理屋が全壊し、そこに隣接する3階建ての自宅兼倉庫も3階まで津波が押し寄せました。「こんなに早くがれきや汚泥の除去を手伝ってもらえるとは思わなかった。本当にありがたい。一日でも早くお店を再開させたいと願う両親にとって何よりの贈り物です。」と感謝の気持ちを語ってくれました。
また、今回の清掃活動には、市内で被災した中学生、りく君(仮名、写真左下)も飛び入りで参加。これまで浦島さんとの関わりは無かったにもかかわらず、誰よりも精力的に取り組んでいました。
震災発生当時、りく君は高台にある中学校で放課後の課外活動をしていたため、津波から免れることができました。しかし、緊急時には家族や親戚が迎えに来るまで帰宅できないことになっていたため、また市内全域で停電になってしまったため、午前1時にお母さんとお祖母さんが迎えに来るまで家族の安否が分からず、これまで経験したことのない不安な時間を過ごしました。幸い、家族が無事で自宅もどうにか津波からの難を逃れたこともあり、震災発生以来、近所の避難所を回り、お年寄りにマッサージをするなど、独自にボランティア活動を行ってきました。
りく君は、「地域が元通りになるまで5年以上かかると思う。みんな元の場所に戻ってまた家を建てたいのに...」「日本中を電車で旅したい。でも駅と線路がつぶれてしまい、いつ夢がかなうのかな」と複雑な心境を話してくれました。
活動メンバーの一人、Rits Habitat(立命館大学)の代表、玉田侑希さんは、「りく君の行う一つ一つの丁寧な作業に、地元への思い入れを感じました。膨大な量のがれきを目前にして、正直、無力感を持ち始めていたけれど、彼の力強い行動とまなざしに地元再建への希望を見ることが出来ました。」と話してくれました。
ハビタットは、ボランティア活動を継続することで、震災から立ち直ろうとする地元の人々と共に地道な復興支援を行っていきます。
◆ バックナンバー
2011.04.30 【東北支援 第13報】ボランティアチーム活動報告(3)
2011.04.29 【東北支援 第12報】ボランティアチームが活動開始(2)
2011.04.28 【東北支援 第11報】ボランティアチーム第一陣が岩手県大船渡市入り
2011.04.19 【東北支援 第10報】岩手県大船渡市に衛生関連物資支援
2011.04.13 【東北支援 第9報】福島県相馬市に衛生関連物資支援
2011.04.10 【東北支援 第8報】調査隊第二陣が岩手県、宮城県入り
2011.04.06 【東北支援 第7報】EU連携(2):宮城県にテント・寝袋を提供
2011.04.04 【東北支援 第6報】学生支部、被災地復興に向け街頭募金を開始
2011.04.01 【東北支援 第5報】支援物資配布予定の福島県いわき市の避難所を訪問
2011.04.01 【東北支援 第4報】先遣隊が福島県いわき市入り
2011.03.31 【東北支援 第3報】エイピーピー・ジャパンより支援金および救援物資
2011.03.30 【東北支援 第2報】欧州連合(EU)と連携、栃木県に毛布1,000枚支援
2011.03.14 【東北支援 第1報】東日本大震災:支援募金受付開始
【東北支援 第14報】ボランティアチーム活動報告(4)
2011/05/01