「この家に住み続けたいけど、修理をすれば安心して住めるのだろうか」
避難をしている方、そして被災したままの家で暮らす方の中には、被災した家屋に対する不安を抱えたまま生活をされている方がたくさんいらっしゃいます。
発災からまもなく2ヶ月が経とうとする中、寒さが少し和らいできた能登半島では、被災した家屋の片付けに向かう住民の方の姿を、多くお見かけするようになってきました。中には「片付けに通っているうちに残せるなら残したいと思うようになってきた。自分の土地の材木で建てたから、この家には思い入れがある」と話す方もいます。そういった方々の不安を少しでも解消できるように2月16日より、建築士による被災した家屋の建物相談をはじめました。建物診断の実施に協力くださっているのは、金沢市や能美市にお住いの建築士さんです。同じ石川県の中で起こった被害に対して、「自分たちにも何かできることはないか」と有志で集まってくださいました。「建築士に見てもらいたい」そう願う住民のお家を1軒1軒回り、地震によって壊れた箇所や、基礎のひび割れ、傾きなどを詳しく診断いただき、住民の方の今後の意向を聞きながら、建築士が修復方法や、修繕する時に使える支援制度の説明など、客観的なアドバイスをしていきます。
古くから建つ伝統的な建物に住んでいた住民の方の中には、「高齢者が一人で住むには大きすぎる、減築できないものか」との相談が寄せられ、建築士の方が傾きや破損箇所が多い部分の一部解体、減築の方法などをお話くださっていました。また、中には「なおすことはできるけど、多額の費用がかかる」「安全性を考えたら、、」という建築士の方の意見を受け、解体を決断する方もいるなど、建築相談を通じて、多くの方から「建築士さんに見てもらえて安心しました。相談できて良かった」という声や「希望の光が見えました」という声が寄せられています。
住民の方が今後の住まいを検討する中で被災した家を 解体するのか、補修するのか、決めるのは住民の方の意志です。その決断は、精神的にも、経済的にも難しい中、ハビタットは建物相談を行うことで、被災された方が住宅再建に向けた選択の幅を広く持ち、住宅再建に向けた不安を少しでも取り除けたらという思いで建物相談を開始しました。一方、建物相談に協力してくださっている建築士さんは、ハビタットと建物相談を行うことで、“命をまもる家”とは何かを考えながら、建築士という役割そしてその使命に取り組んでくださっています。
ハビタットは、引き続き建築士に相談されたい方のニーズを調査し、診断を必要とする方に建築士を派遣することで、被災された方の住まいの再建を後押ししてまいります。能登半島地震被災者緊急支援に引き続きご協力をお願いいたします。ご寄付はこちらをご覧ください。
※本活動は、「赤い羽根「災害ボランティア・NPO 活動サポート募金」(ボラサポ)の助成金により活動しています。